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    25Zenn

    @25Zenn
    🐚中心にtwst夢を書いたりする人です。

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    25Zenn

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    いき所を失ったアズ監。設定だけ、練りすぎて夢とは??ってなって挫折してるところ。
    誰か、私の尻をたたいてくれ
    とても、中途半端なところで終わる

    #twst夢
    #アス監
    athletesSupervisor

    帰りたかった監督生の話(仮自分の卒業が差し迫るその時まで、元の世界を諦めきれなかった。
    「卒業したら僕と一緒に暮らしませんか?」
    だから、素直じゃないアズール先輩が自身の卒業式を前に真摯にくれた言葉を簡単に跳ね返す事が出来た。
    「いえ。元の世界に帰るので、先輩とは一緒に暮らせません」
    逡巡さえしないで返した言葉に、たっぷり一呼吸あけて理解したアズール先輩の表情が冷えていったのは、いま思い出しても息が止まりそうになる。綺麗な人の真顔には、非常に迫力があるのだ。
    「僕というチャンスを逃して、次があるとは思えませんけど。そもそも帰れるんですか、貴方」
    「はぁ?私が元の世界に帰りたいのなんてずっと言い続けてるじゃないですか。アズール先輩こそ無神経です」
    吐き出した言葉は取り消すことが出来ずに、二人で周りに散々迷惑をかけながら大喧嘩をして、結局二人の関係は修復されることもなくアズール先輩の卒業とともに関係も終わった。
    学園を卒業するまで元の世界に帰れなかった私は賢者の島から出て、薔薇の王国で普通にOLとして働いている。
    この国を選んだのは、卒業時にエースやデュースから強く勧められたからだ。気兼ねしないで相談出来る相手が身近に居るというのは、思った以上に精神の拠り所となった。
    文化の違いや風習など慣れるまでに数ヶ月はかかったけれど、今では無事に仕事を見つけて、自分一人の稼ぎだけで生活できるようになっている。ずっと、一緒に暮らしていたグリムは学園に残っているけれど。長期の休みには他の生徒と同じように私の所へ帰省と称して遊びにやってくる。そんな凪いだような平穏な日々の中で、急に荒波が自分に向かってくるなんて思ってもいなかった。

    出社前にいつも寄るコーヒースタンドで薄めのコーヒーをテイクアウトして、窓に写る自分の姿にこないだ買ったピアスは今日の服にちょっと合ってないなと思って、IDカードをバックから取り出すと。広いロビーフロアの奥にある受付に見知った顔を見つけた、ちらっと見えた横顔に何年も前に別れたきりなのに瞬時に見分けた自分に驚きつつも素知らぬ顔でゲートを通過する。いくつもの会社が入っている大きなビルで目的地が自分のオフィスとは限らない。そう自分に言い聞かせてエレベーターのボタンを押した。
    書店でビジネス雑誌に載るような元先輩にいまさら再会したところで、何かが変わるとも思えないが。思い返せば自分にも非があったなと思うと、再会自体を回避したいと思うのは自然な事だと思う。
    ナイトレイブン・カレッジに通っていた時は男装に制服姿だったけど。今は髪も伸びて日常的にメイクもして、すっかり女性らしい姿になっている。間近でじっくり見られればバレてしまうかもしれないけれど、遠目に見ただけでは元オンボロ寮の監督生とは判断できないはず。沢山の言い訳を誰にともなくしながら、エレベーターホールで降りてくるエレベーターの階数表示を見つめる。
    開いた扉に飛び込むように乗り込み、閉じた扉に安堵してそっとため息をついた。たった一目遠くから見かけただけでこんなに動揺してしまうなんて、我ながら情けなくて笑ってしまう。大きなフロアを背の高いパーテションで区切った自分のディスクにたどり着いて、長時間の仕事の為に自分で新調した赤くぽってりた形のチェアに体を埋めて少し温くなったコーヒーを一口飲んでやっと心が落ち着いた。
    流れるように付けたPCの画面には、書きかけのプログラムのデータと本日の予定に仕事の期日など必要なデータが画面に散りばめられている。学生時代の悪あがきが、ここでの生活の助けになるなんて思わなかった。いつか自分の世界に帰った時でも役に立つんじゃないかとオルト君とイデア先輩に頼み込んでプログラムの勉強をさせてもらっていたのが、今は思わぬ形で生活の助けになっている。なんだか、今日は学生時代の事を思い出してばかりだ。まぁ、すべては先ほど見かけた人物のせいなのだけど。行儀悪く今度は音をたててコーヒーを飲む。
    通知音に画面に視線を向ければ予定表にポップアップで『10時打合せ』と上司からの簡素なメッセージが表示される。

      学生の頃は大抵のトラブルに巻き込まれていた。今回は困っているのは私だけだろうが。会議室では、ある種の予想通りの展開に。はいはい、いつものアレねと内心で大きなため息をついた。
    「おひさしぶりです。学生の頃以来ですね」
    学生の頃なら間違いなく何よりも好きだった、清々しく目映い笑顔に、引きつった笑顔でなんとか返し。差し出された手を握る。
    「ふふ、アーシェングロットさんは冗談がお上手なんですね。今回のプロジェクトを担当するユウです」
     引き寄せられた手を、笑顔で引きはがすと。社会人生活ですっかりと身についた愛想笑いを浮かべる。
    「相変わらず、お変わりがないようで何よりです。長いプロジェクトです。これからよろしくお願いしますね」



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