Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    akizuki41

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 6

    akizuki41

    ☆quiet follow

    ngのためにしじみ汁を作ってくれたisgと結婚しようと思うngのお話。
    二人が同棲してる世界線。

    【ngis】結婚しよ「うぅ〜、気持ち悪い…明日二日酔い確定じゃん…」

     スポンサー主催のパーティで、しこたま酒を飲まされた凪は、痛む頭に口をバツにして、家の扉を開けた。暗い廊下は、しんと静まり返っている。物音を立てずに手洗いと歯磨きだけ済ませ、寝室へと這入る。
     こんもり盛り上がった布団から、愛しい恋人の、いとけない寝顔が覗いている。凪はさらさらした黒髪を軽く梳いた。んん、と彼が顔をぎゅっと歪ませ、微かに目を開いた。

    「あ、ごめん」
    「ん〜…なぎだぁ…」

     へにゃりと目を細めて目の前の凪の髪をくしゃりと撫でる。そのまま腕を頭の後ろに回し、ベッドへと引き込む。

    「ちょっ…」
    「すぅ…」

     恋人の気持ちよさそうな寝顔にふっと息を吐いて、凪はその形のいい頭を抱え込んで目を瞑った。


     窓から差す光で目を覚ました。のそりと上体を起こすと、頭がずきりと痛んだ。

    「いさぎ…?」

     抱き込んで眠っていたはずの恋人の名を呼ぶが、返事はない。ぼんやりとしていると、扉の向こうから、じゅうぅ、と何かを焼いている音がした。もそもそと布団から這い出し、ベッドから降りる。フローリングのひんやりとした感触で、少し目が覚めた。

    「いさぎ、なにしてんの?」
    「お、凪。おはよう」

     ひとまわり小さい体を後ろから抱き込むと、朝日に負けない笑顔で潔が笑いかける。それが眩しくて、凪は目を細めた。

    「火使ってるから離れてな〜」
    「えぇ〜…」

     凪は不満そうな声を漏らしながらも大人しく従う。潔の手元を覗き込むと、鮮やかな黄色の卵焼きが出来上がっていくところだった。

    「そろそろできるから、先顔洗ってこいよ」

     卵焼きに目を落としながら、潔は言った。凪ははーい、と返事をして洗面所へと向かった。

     ダイニングへ戻ると、机の上には、理想的な和食が並んでいた。つやつやと輝く白い米に、出汁の香りを立てる味噌汁。主菜は焼き鮭に、ちょこんと形のいい卵焼き。凪はいそいそと席に着いた。潔も続いて目の前に座る。
     いただきます、と手を合わせて、早速お椀を手に取った。
     木製の器から伝わる暖かさと、立ち上る味噌の香りを堪能する。箸を入れると、固い感触がする。つまみ上げると、小さな貝が顔を出した。

    「しじみ…?」
    「ん。凪今日二日酔いだろ?」
    「え」

     凪が眠そうにしていた目を見開く。昨晩潔は寝ぼけていたから、凪が酔っていたことなんて知らないはずなのに、なぜ。

    「んふ。だって、昨日お前に抱き込まれた時すごい酒臭かったし」
    「え」
    「あと、朝も寝ながら時々頭抑えて渋い顔してたし」
    「まじか」
    「まじ。凪のことはなんでもお見通しなんだからな」

     潔がにひひ、と悪戯っぽく微笑む。朝の光が潔を照らし、白い肌と綺麗な蒼がきらきらと輝く。凪はその神々しさに呆けた。

    ーー結婚しよ。

     まずはリングを準備して。プロポーズはどういうのがいいかな。潔って結構王道なの好きそう。ちょっといいホテルのレストランとかで、指輪ぱかってするやつ。
     きっと潔は喜んでくれるだろう、とお椀を傾けながら考える。
     宝石箱をひっくり返したような夜景を背景に、涙をたたえた瞳で笑う潔を想像する。薬指に俺が買った指輪をはめて、幸せそうに微笑む潔。

    ーーうん。いい。

     凪は、うんうんとひとり頷く。目を細めてむぐむぐと米を堪能していた潔が、不思議そうにこちらを向いた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖😭🙏💒💒💍💒☺🙏💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works