月の都「魔剣を作る呪法に心あたりはあるか?」
萬軍破の発した問いかけに、殤不患と睦天命は驚いた。
「そんなもん、しらねぇな」
殤不患の言葉に、睦天命も首を振る。
崩れかけた廃墟で夜の焚き火を睨みながら、萬軍破は言葉を続けた。
「俺が西部総督について調査を行ったところ、西部総督は不正を行い私腹を肥やしていたが、それ以外にも魔剣の情報を集めて、あまつさえ神誨魔械も手に入れようと画策していた。
そして、魔剣を作る呪法にも関わっていた」
「俺がいうのもなんだが、西幽じゃ魔剣は厳しく管理されてるはずだろ?
西部での皇帝の代理人の総督が隠れて禁断の魔剣集めか?
こりゃ、驚きだな。あんな迷惑な代物、集めて喜ぶ奴の気がしれねぇが」
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