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    let_it_tei

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    マルドックヴェロシテイ×呪術廻戦の微クロスオーバー
    五夏前提
    猿の女王サラノイと、猿を鏖殺することになる最悪の呪詛師夏油傑の会話、みたいよな!の気持ちだけで書いてる

    #五夏
    GoGe

    天国の階段は楽園に至らず ホテルのラウンジには、歓談の邪魔にならない程度の音楽が流れている。夏油は、ホテルマンに案内されるがまま、ラウンジに足を踏み入れたことを後悔してしまった。場違いにも程がある。現に、あからさまではないもののラウンジを利用している人間からいくつも視線を向けられている。
     新しくラウンジに案内された人間が、学生服――それも一般的なものとは異なるゆったりしたボトムスを穿いている――の少年なのだから、人々が不審に思うのも当然だった。
     夏油は他人の目を気にして恐縮するような質ではないが、異物扱いされることも気持ちのいいものではない。呪霊という異形と向き合い、呪霊が見えない非術師の中に溶け込んで生きてきた年月が長いので、大衆に不審がられない立ち振る舞いも心得ている。ふ、と夏油が体の力を抜くと、段々と人々の視線が外れていくのが分かった。どうやら自分はここにいることを認められたらしい。
     ホテルマンの案内に従って、この場所を指定して呼び出した人物の元に向かう。
     夏油がこんな場違いなラグジュアリーホテルにいるのは、高専経由で外務省から護衛の命が下ったからだ。
     高専の生徒でありながら、既に特級を冠する呪術師である夏油は、富裕層が利用する施設を訪れることがなにかと多い。祓除の依頼が富裕層であれば、そういった場所に赴いて任務に就くこともある。一般家庭の出身であるため、そういった場所での立ち振る舞いは高専に入学してから身につけたものだ。それでも、呪術師の任務として訪れるのは和風の施設が多く、今いる高層のラグジュアリーホテルはあまり訪れたことがない。
    ――悟なら、こんな場所でも怖気づくこともないだろうな。
     同じ任務を下され、夏油とは異なる場所で活動している親友の顔を思い浮かべる。彼の生まれは、呪術界において御三家とされる名家で、こうした場ではその育ちの良さが分かる振る舞いをする。普段の悪童ぶりはどこへ行ったのだと思えるごく自然な態度を取れるのだ。
     実際、夏油の作法は五条から教えられたものもあり、呪術師となって彼と出会わなければ一生無縁だったと思えるものが多い。
     呪術界の上層部から任務が入ることはあっても、官庁からというのは今までなかったことだ。上層部と政府の間に繋がりがあることは納得できるが、外務省という点に疑問が残る。任務を持ってきた夜蛾や、夏油よりもこの業界の事情に精通している五条に訊ねてみても、「分からない」で終わってしまった。呪術師として活動歴の長い二人にも分からない背景が夏油に分かるはずもない。自らの術式を以て呪霊に対してきた時間は長くとも、夏油が呪術界に足を踏み入れてからまだ一年も経っていないのだから。
     これから会う人物に、疑問とかすかな緊張に気づかれたくはない。自分の態度を取り繕うことは得意だ。気持ちを切り替えて、椅子に座る女性へと声をかける。
    「サラノイ・ウェンディさんですか? 呪術高専から派遣されました夏油傑です」
     涼しげにカットされたブルネットが揺れ、操作していたタブレットから顔が上がる。
     彼女は、完璧に作られた微笑を浮かべた。
    「事前に資料は渡されていたけれど、本当に子どもが来るなんて。役人の言う〝重要なゲスト〟なんてあてにならないのね」
    「残念ながら、私には高専から渡された任務指示書の情報しかありません。あなたが言うところの役人――外務省の方が、どういった意図で私を指名したのかまで指示書には記載されていませんでした。私が持ち得る情報は、『サラノイ・ウェンディの護衛』と『護衛対象は推定特級の呪霊に生命を脅かされている』ということだけです」
    「それは随分と情報不足ね。分かりました。私の口から直接説明します。ああ、あなた、メニューを」
     夏油を案内したホテルマンに、サラノイは気負いなく言った。
    「挨拶と握手は必要?」
    「あなたが求めるなら」
    「じゃあ、やっておこうかしら。日本に滞在する間はあなたと一緒に行動することが多いでしょうし――はじめまして、サラノイ・ウェンディよ。大脳生理学と遺伝子工学の研究をしているわ」
    「改めまして、夏油傑です。東京呪術高専一年、術師としては特級に認定されています」
    「強いの?」
    「ええ」
    「謙遜しないのね。自分のことを評価できる人間は好きよ」
     サラノイはテーブルの向こう側の椅子を夏油に勧めた。
     サラノイの対面に座ると、頃合いを見計らったらしいホテルマンにラウンジメニューを渡される。眺めて悩むようなものでもない。任務中にアルコールは飲めないし、何より夏油は未成年だ。外で飲めるわけがない。
    「コーヒーを」
    「オレンジジュースじゃなくていいの? 資料には十五歳とあったけど」
    「私は親友ほど子供舌ではないので」
     馬鹿にされているというより、からかわれているのだろう。こちらを試すようなサラノイの物言いは、煽られると思ってむきになるようなものではない。
     間もなくコーヒーが運ばれてきた。
     サラノイの手前には、中身が半分ほど減ったティーカップが置かれている。夏油がラウンジを訪れた時刻は、指定された時間より早い時間だった。サラノイが自ら指定した時間よりも前からラウンジにいたことは、彼女のティーカップを見れば明らかだった。
    「もしかして、待たせましたか?」
     ティーカップに向けられた視線の意図に気づいて、サラノイは「ゆっくりしようと思って、待ち合わせよりも早めに来ていただけ」と言った。
    「仕事の話の前に、私を取り巻く環境から話をしましょう。私は研究者で、研究内容はさっき言った通り。そして研究の成果が――」
     サラノイの視線が、つうと横に向けられた。夏油もその視線の先を追う。
     そこには、スーツを着た男が二人座っていた。夏油は目を疑った。スーツの男達の足元にケージが置かれており、その中には一匹の猿がいたのだ。とてもではないが、ラグジュアリーホテルのラウンジに相応しい存在ではない。
    「スーツを着ている二人は、エッジスとブレイディ。ケージの中の猿はスクリューよ」
    「……やっぱり猿ですよね、あれ」
    「ええ、猿よ。でも、動物園の猿とは違う。高度な猿――私たちのような人間に近い猿」
    「猿……? あなたは、人間も猿だと言っているように聞こえますが」
    「間違いないわ。人間はみな高度な猿よ。社会集団を形成する猿。しかしそれも、高度な目的に向かって上昇するからこそ、人間は高度な猿だと言える。目的もなく、ただ生きるために生きている人間は、動物園の中の猿と変わりない」
     サラノイはティーカップを手に取り、優雅な所作で紅茶を飲んだ。
    「あなたが特級呪術師と呼ばれるように、私も呼ばれている名前があるの――〝猿の女王〟」


    場面転換 五条パート
    サラノイを追うようにして顕れるカトルカールの調査
    サラノイの護衛の一人がカトルカールに拷問された現場にいる

    六眼で残穢を確認
    保存された現場には、血痕と呼ぶには多量にすぎる赤黒い跡が残されている
    そしてわざとらしいくらいに置かれた拷問器具や点滴、注射など

    五条「今にも恐怖の残り香が立ち込めそうじゃん。オッエー、趣味悪ィの」

    五条の残穢=残り香似合わせてに合わせて、ウフコックの匂いで人を分かるネタを五条でやる



    サラノイが来日した理由
    シザースの共有(共感)能力を非術師に施すことで、負の感情の分散が行われて、呪霊の発生を抑制する、もしくは呪霊の弱体化を図れるのではないか?
    →シザースの技術提供


    シザースのシステムと各省庁と上層部の思惑を知った五条と夏油
    夏油「そんなことが可能だと思うか?」
    五条「できないことはないと思う。冥さんの術式はカラスと視界を共有したうえで烏を従えてるし、要はそれが人間に置き換えられるってことだろ。言葉にする分にはできないことはないと思う。まあ、問題はそんな術式を持つ術師がいるかどうかと、大量の人間相手と接続した術師が耐えられるかだな。人間同士の感覚共有――処理する情報は俺の無下限といい勝負じゃね? ゼロイチ分解した感情がどんなものか知らないけど」
    夏油「……悟は、誰かと自分の感情を共有したい?」
    五条「自分の感情を放流して、知らない誰かの感情を受け取るなんて絶対イヤだね。誰彼構わずっつーのがイヤ。傑は?」
    夏油「私もごめんかな。悟と同じで誰彼構わずっていうのはね――たとえば、私達術師が見聞きした呪霊の姿を、非術師にも見せてしまうということだろう? 知らなくてもいいことは、この世にたくさんある。負の感情の権化は、万人に見せつけるようなものじゃない」
    五条「オッエー、出たよ、傑の非術師庇護論。お前が共有したいかどうかの話してんのに、なんで非術師に気ィ遣った話になんの?」
    夏油「自分の振る舞いが、万人のためにあると思ってるから、かな。悟はもう少し自分の立場を考えな」
    五条「知らねえよ、顔も見たことのない他人のことなんか。弱い奴らはこっちがなにしてもどうにもなんねえよ」

    夏油「さっき悟は誰彼構わずは嫌だって言ったけど、顔見知りならまだいいの?」
    五条「まだましってだけ。他のやつらの世界なんて興味ないし、俺の世界を他のやつらに分かって欲しいと思わない。分かってもらいたいとも思わない。けど――」

    五条「傑は別。俺は、傑が聞いているものを聞いてみたい。傑が見ているものを見てみたい。傑が肌で感じていることを感じたい。傑が嗅いでいるものを嗅いでみたい。傑が食べてるものの味を味わいたい」
    夏油「悟……」
    五条「お前の隣に立ってるのに、なんで俺はお前と同じものが分かんねえの? 俺は傑と一緒にいたいから、傑と同じものを感じたい。傑と同じものを感じれば、俺はお前と完璧になれるのに」

    カトルカールと戦うことになった五夏
    五条は既にカトルカールと対敵したことがあり、夏油はその報告は受けていたものの、目の当たりにしたのは初めて
    五条「傑、あの呪霊欲しい?」
    夏油「いらないな。あれを使役してると私の品位が疑われそうだし」
    五条「ガラの悪いピアスとボンタンの不良ルックのやつが今更品位も何もねえだろ」
    夏油「じゃあ聞くけど。私があれを使役するってことは、悟は私と一緒に戦うとき、あれと共闘することになるんだよ。あれと一緒に戦いたい?」
    五条「……俺達の品位にかかわるな。やめやめ! あんな卑猥物と一緒に戦うとか有り得ねー」
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