よろしくお上がり悪魔の六つ子やぁやぁやぁ。どうもどうもこんにちは。前に一回会ったっけ?それとも別の奴かな?いやーごめんね、俺達六つ子だから誰が誰に会ったって分かんないんだよねぇ。今からちゃんと自己紹介してあげるから、まぁゆっくり聞いてってちょうだいよ。
まず青いパーカーのあいつ。あいつが次男のカラ松。普段はさー、なんかよく分かんない格好のつけ方して馬鹿丸出しなんだけど、ほら、馬鹿力なんて言葉あるでしょ。その言葉通り兄弟の中で一番力が強いんだよね。大振りばっかで全然当たんねーのは仕方ない、あいつ喧嘩の仕方知らねぇんだよなぁ。あ、今吹っ飛んだキミのお友達。多分右の骨折れてるんじゃないかなー、後で病院連れていってあげなね。
喧嘩の仕方と言えば四男の一松が得意なんだよ。あの紫のパーカーの奴ね。あいつ普段は全く動かなくて部屋の隅でじーっとしてんだけどさ、いざって時は結構機敏に動くんだよ。しかも格闘技とか割と好きらしくて色んな技知ってんの。元々真面目くんだから十四松相手に試したりして自分のモノにしてんだぜ、怖いよなー。うわ、あの絞め技初めて見るな…。
あ、十四松ってのがあそこの黄色いパーカーでうちの五男ね。あいつ何やるにも楽しそうでいいでしょ?ほーら綺麗なフルスイング。おいおい、頭吹っ飛んでないだろうな。ごめんねー、あいつ手加減ってもの知らなくてさー。しかもこれまた次男に続く怪力の持ち主で、誰かが止めてやらないといつか人殺しちゃうかも。なんつって!
まー安心してよ、その十四松の手網持ってんのが六男のトド松だから。ピンクのパーカー着て、喧嘩なんかしませーんって顔してるでしょ?ところがどっこい、あいつ隙を見て凶器使いながら一撃必殺狙ってくるから。兄弟の中じゃ非力だからとか言ってるけど、単に手や服が汚れたりすんの嫌なだけなんだぜ、あれ。でも十四松がやりすぎるの止めたり、ほかの兄弟のサポートもしてくれるから本当に出来た弟だよ。今だってああやってキミ達の写真撮って抜け目ないんだから。
おっと、今こっち見て呆れた顔した緑のパーカーが三男のチョロ松ね。余裕そうな顔してるでしょ、あいつ結構すばしっこくてなかなか当たらないんだよね。その上一番えげつないとこ攻めてくるから、全く常識人の名が聞いて呆れるわ。人体の急所って知ってる?へたすりゃ死んじゃうっていうポイントらしいんだけど、そこを的確に狙ってくんの。容赦ねぇよな。あ、心配しなくても今崩れたお友達は生きてるから。一応だけど。ま、トラウマぐらいで済んだんじゃない?
はいはい、そんなに睨まなくてもちゃっちゃと終わらせますってば。チョロ松の奴、せっかちなんだから。
さて、これで俺達のことは覚えてくれたかな?出来れば次に会う時まで忘れないで欲しいんだけど。そうだなー、一つだけ忠告しとくなら俺はあいつであいつらは俺なんだ。誰かの痛みは全員の痛みだし一人がやられたら全員で仕返しする。だって俺達は六人で一人だからさ。
ああ、いまさら謝罪なんていらないよ。言ったろ?あいつらの痛みは俺の痛みだって。
そうそう、肝心の俺の紹介がまだだったっけ。俺、あいつらの長男で松野おそ松。夢はビッグなカリスマ、レジェンド、人間国宝!趣味は競馬とパチンコ。自慢は、
兄弟の中で負けたことがありませーん。
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「ここ最近、この辺りでおイタしてる連中を見ないザンスが、チミ達何かしたザンショ?」
「さぁーてね。俺達善良な一般市民よ?」
「そういうのは税金納めてから言うザンス」
「うわ傷付いたー。これは慰謝料請求だわ。百万払えよ」
「当たり屋もいいとこザンス。まったく、折角『オトモダチ』になって色々利用しようと思ってたザンスに…」
「悪い奴だなぁ、イヤミは」
「チミ達に言われたくないザンス」
「それに、お前の『オトモダチ』は俺達だろ?」
「はっ、そんな嫌味を言われるなんて、ミーも落ちぶれたもんザンス!」