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    nekotakkru

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    pixivの避難場所
    不感症?な⑭

    #リョ三
    lyoto-3
    #SD腐

    ふれる。雑誌を読んでいた三井の頭上に影がさした。何事かと顔を上げれば緊張した面持ちで宮城がこちらを見ている。あ、と思うと同時に雑誌を取り上げられゆっくりと肩に手を置かれた。震える指先から緊張が伝染し、三井も思わず身を固くする。そろそろと顔が近付けられ、ちゅ、と可愛い音がしそうな柔らかいキスが落とされた。少し離れ、顔を真っ赤にしている宮城は走り込んだ後のように細い息を吐いている。そんな宮城を見て三井はただ目をぱちぱちと瞬かせた。再び顔が近付いてきて先程よりも強く、長く唇が押し付けられる。怖々と角度を変え、何度も口付けられるうちに体が少し緩んだ。
    肩に置かれていた手が滑り、三井の体の輪郭を触れないよう落ちていくと服の裾へ到着する。少しささくれだった指先が遠慮がちに侵入を試みた。が、それよりも先に三井が片手で宮城の口を塞いだ。突然引き剥がされた宮城は驚きに目を見開き、次いでざあっと青ざめていく。
    付き合い始めてから気付いた事だが、宮城は普段の小生意気な態度からは想像もつかないほど繊細で、臆病な性格をしていた。傷つきたくないから自分の気持ちは明かさず、嫌われたくないから必要以上に距離を詰めてこない。それ故に、好きな相手にはなかなか強く出ることが出来ないのだろう。少し前までは彩子に対する接し方がそれだったように思う。だが今は、その好意が三井に向けられている。
    三井に制止されたことによって拒まれたと焦っているのか、宮城の瞳はゆらゆらと揺れていた。可愛いと思う反面、申し訳なさもあって心臓がきゅう、と締め付けられる。本当はすぐにでも抱きしめてやりたいが、どうしてもこれだけは伝えねばと重い口を開いた。

    「悪ぃ。オレ多分、不感症なんだわ」






    ───不良時代、つるんでいた女性の何人かから夜の誘いを受けることはあった。しかし当時はバスケが出来ない喪失感により、気分じゃないと断ることを繰り返していた。それでも一度だけ、雑魚寝をしている隙にたまたま隣にいた女性に身体をまさぐられたことがある。寝ているとはいえ他に人がいることや、不快感を訴えても相手が止まることはなく、仕方なく目を瞑って事が済むのを待っていた。吐息混じりに押し付けられる唇と、遠慮なく撫で回される感覚に身体がひきつったのを覚えている。いざ相手の手が股間に伸びてきた時、数回撫でられてからピタリと動きが止まった。相手の異変に気付いて恐る恐る様子を伺うと、そこは全く反応を示しておらず、相手は酷く呆れた様子でつまらない男と吐き捨てた。



    「ま、そのお陰でそれから誘われることはなくなったんだけどな」

    そう言ってわははと明るく笑ってみせる。しかし宮城は真剣な面持ちのまま、何を考え込んでいるのか動かなかった。宮城の名前を呼びながら目の前で手を振ると、その手首をがしりと掴まれる。漸く上げた瞳は少し不安を残しながら、真摯に三井を見つめていた。

    「オレは?」
    「あ?」
    「オレに触れられるのは嫌?」

    上目に見ながら宮城が尋ねる。どきっと胸を高鳴らせながら嫌じゃない、と告げると宮城は安心したように笑った。そのまま手首が離され人差し指で手のひらを伝い、三井の手に収まるように指が絡められる。節の太い指はごつく痛いが温かかった。
    手に気を取られていたら宮城の鼻先が三井の鼻先に触れた。熱を孕んだ視線を向けながら、キスするのは嫌?とまた尋ねてくる。嫌じゃない、と答える声は乾いた喉に少しばかり張り付いてしまった。恥ずかしくなって目を伏せると隙を着いて唇が触れる。相変わらず、綿菓子のように甘い触れ合い程度のものだった。

    「それじゃあ当分は、お互いこれぐらいにしましょうや」

    その代わり、沢山キスさせてくれたら嬉しい。目を細めて言う宮城に応えるよう、こくりと頷く。へらりと眉を下げて笑う顔が少し寂しく見えた。





    ◇◇◇◇◇

    宣言通り、その日から宮城が必要以上に触れてくることはなくなった。二人きりの時にキスをねだられることはあっても、唇が触れ合うような子どもじみたものばかり。たまに触れていいかと問われ応えても、服の上から優しく撫でるだけで局部に触れることはない。どちらかの家に泊まっても手を繋いで眠る程度で、肌同士が触れ合うようなことはしなかった。三井はそれで十分満足だったが、果たして宮城はどうだろうと、ふと考える。望んだ先に進んであげられない罪悪感にちくりと胸が痛んだ。



    一向に距離が変わることはなく、それでも季節は移ろいで気がつけば緑の葉が赤や黄色に変わっていた。
    高い笛の音と共に休憩が言い渡されると、部員達は大きく息を吐いてその場に崩れ落ちた。ウインターカップに向け、日々の練習が増えたこともあり、季節に関わらず部員達は大量の汗をかいていた。秋の風が吹き涼しい外へと体を冷やしに行く者もいれば、浴びるように水分を補給する者もいる。
    例に漏れず三井も、体育館の小窓をちゃっかりと陣取りながらスポーツドリンクを喉へと流し込んでいた。この後の練習メニューを頭の中で整理しながら、視線はつい宮城を追ってしまう。宮城はといえば、タオルで汗を拭いながら彩子と雑談しており、時々はにかんで笑う様子が窺えた。場所が遠いため何を話しているのかまでは聞き取れないが、楽しげな二人を見ていると腹の中が少しずつ重くなっていく。水分の取りすぎか、なんて考えてボトルを脇に置いて意識を他へ向けようとするも、一度気になってしまえばなかなか気が逸れることはない。
    ちらちらと観察していれば、ふいに宮城が自分の顔を指さして彩子に何かを訴え始めた。聞いている彩子も一瞬驚いた顔を見せ、宮城と同じように顔を触ってみせる。ところが、どうにも伝えたいことと違うらしく、宮城は困ったように眉を下げるだけだった。すると彩子の顔が一瞬明るくなり、そのまま目を瞑り宮城に向かって顔を差し出す。まるでキスを待っているかのような態度に三井はぎょっと目を見開いた。え、は、何?と疑問符が浮かんでいる間に宮城の手が恐る恐る彩子の頬に添えられ、そのままそっと顔が近付いていく。目の前の光景に体温が急激に下がり、同時に頭は沸騰しそうなほど熱くなった。

    「やめろ!!」

    咄嗟に出た声は三井の予想よりも遥かに大きく、怒気を含んでいた。穏やかだった場の空気が一気に凍りつき、賑やかだった体育館はしんと静まり返る。皆の注目を集める中、三井はズカズカと宮城に近付くと胸ぐらを掴んで強引にこちらへと向かせた。

    「テメェ、何してんだよ!」

    怒りのせいか動揺か、僅かに声が震える。肩で息をしながら凄む三井に、宮城が目をぱちくりとさせ、おずおずと自信の指を差し出した。伸ばした人差し指の上にはくるりとカールした短い毛が乗っている。訳が分からず、三井は眉間に益々しわを寄せた。

    「何って、アヤちゃんの顔にまつ毛ついてたから取ってあげてたんスけど…」

    間。間。間。
    たっぷり時間をかけて脳が処理を終えた途端、三井の顔がどっと赤く染まった。疲労とは違う汗が流れ羞恥心によって体が発熱する。「え、あ、まつ毛!?」と反射的に出した声は裏返り、余計に三井を辱めた。
    勘違いをしてしまった。だって、先程の体勢は誰がどう見ても───

    「わかるぞミッチー。今のはリョーちんが悪いよな」

    上手い言い訳が見つからず、おろおろする三井の後ろから太い腕が回された。慌てる三井の言葉を引き継ぐよう、ぬっと顔を出して桜木がフォローを入れる。勝手な物言いに宮城の片眉が僅かに上がり、はぁ?と尋ねる声は不愉快が前面に押し出されていた。

    「シンセーな部活中にいきなりアヤコさんにキ、キ、キ、キス…するみたいなことしてよぉ!」
    「なっ!?」

    「キス」の所を極限まで小声にしながら頬を赤らめて桜木が指摘する。それからびしりと指をさして「ハレンチだ!」と囃し立てた。すかさず三井も指をさしてそーだそーだ!と便乗する。謂れのない批判に次第に宮城の身体が震え、額には青筋が浮かんでくる。キッと目を釣り上げると得意の飛び蹴りが二人に炸裂し、そのまま大乱闘へともつれ込んだ。
    騒ぐ三人の様子から日常に戻ったことを見て部員たちもほっとして緊張を解く。どうしようもない馬鹿騒ぎに呆れながら彩子はハリセンを取り出すと、子気味良い音を響かせながら休憩終了を知らせた。








    ────────

    「ねぇ、一昨日のアレ、何だったんスか?」

    一昨日、という単語に思い当たり三井はぴくりと反応した。土曜日の昼過ぎ。部活を終え、家族が皆出払っているたった数時間の逢瀬を楽しんでいる時だった。といっても相変わらず互いの手を握りながら、数回に分けてキスをするだけという甘酸っぱいものなのだが。
    一昨日と言えば、体育館でのひと騒動の件だろう。勘違いとはいえ、あんなにも熱り立った三井を不思議に思い、宮城はふと問いかけた。不意をつかれた三井は明らかな反応を示してしまい、咄嗟に口を噤んでそっぽを向く。幼稚な所作に、宮城も同じく唇を尖らせて幼稚に返す。痛いほどの視線に耐えられなくなると三井は観念して、しかしぶっきらぼうにボソリと呟いた。

    「も少し強く触れよ」
    「は?なんスか急に。ヤダよ。オレ無理やりなんてしたくねーもん」
    「っ、いいから!」

    拒む宮城の手を強引に引き寄せると、三井は自身の胸へと持っていき、乱暴に押し当てた。ぎょっとした宮城がすぐさま手を離すも、三井は尚も宮城の手を取ろうと躙り寄る。ただでさえ広いとは言えない宮城の部屋の中、狭い布団の上では逃げる場所もなく、せめてもの抵抗に宮城は目一杯に腕を突っぱねて距離を取った。

    「ねえちょっと!いきなり何!?質問の答えになってねぇって!理由を言えよ!」

    最もな意見に今一度三井の動きが止まる。ぐうぅ、と逡巡し、言いにくそうに数回口を開いては閉じてを繰り返してからぽつぽつと言葉を零した。


    「お前に触れられる彩子見るのが嫌だった」

    「オレだって宮城に触られたい」

    「宮城の手の心地良さを知ってるのはオレだけがいい」


    全てを吐露した後に沈黙が落ちる。一呼吸置いてから宮城が顔をのぞき込むようにして「もしかして妬いた?」と尋ねた。核心を突かれ、以前と同様、顔が燃えるように熱くなる。赤く染まるのを見られまいと両手で覆いながら、やっぱなし!忘れろ!と喚いた。
    柄にもないと羞恥心に悶えていたら、顔を覆う三井の手が外され、そのまま力づくで後ろに押し倒される。先程までと形勢が逆転し、困惑する三井を他所に宮城は逃がさないよう全体重をかけて三井の上にのしかかった。瞳孔が開きつり上がった目と、興奮によって荒くなった息遣いに思わず体が縮こまる。落ち着かせようと名前を呼ぶより先に、唸るような声が宮城から漏れ出た。

    「せっかくさぁ、人がエンリョして優しく進めようとしてやってんのに何なんだよアンタ。人の気も知らねぇで勝手なこと言いやがって。こっちはただでさえ過去の女のこと聞かされてムカついてたのを我慢してたってのに」
    「みや、」
    「クソッ、もう知らねー。触れって言ったのはアンタだからね、三井サン」

    押し付けられた唇は今までのような触れるだけのものじゃない。上下の唇を割開こうと舌先が境目を辿り、催促するよう下唇が甘噛みされる。制止しようと口を開いたところをすかさず肉厚のある熱い塊が侵入した。内側の頬肉や上顎を味わうように舌先が撫でる。追い出すために三井も舌を伸ばせば待ってましたとばかりに上下の顎に捉えられ、唾液も含め音を立てて吸われた。感じたことの無い感覚に耳の裏側がぞわぞわと鳥肌を立てる。嫌だ、離して欲しいと思うが苦い思い出とは何かが違う。何が、と考えたくても思考は口内を蹂躙されていて考えることを許さない。服が伸びるのではないかと思うほどきつく宮城の後ろ襟を引いてみるがびくともしなかった。
    酸欠によって目の前が白んできた時、漸く口が解放され待ち望んでいた酸素が肺に送り込まれた。受容しきれない空気と器官に入った唾液によってゲホゲホと噎せる。上体を丸めながら落ち着くのを待っていたら、その背に温かい手が触れ優しく摩られた。時折、赤子をあやす様に叩かれるのも心地良くて安心する。息が整ってきた頃合いを見て、背を摩っていた手がシャツをたくし上げ背骨をすいと撫でた。擽ったさに驚いて声を上げながら丸かった背中を伸ばす。その様子を鼻で笑う宮城を睨めば、恍惚を浮かべた顔が見下ろしていた。

    「ま、待て宮城!いきなりこんな…」
    「うん、そっスよね。いきなりキスしてごめんね。三井サンは触ってほしーんだもんね。今度はちゃんと言うから」

    早口に捲したてると骨盤に厚い手のひらを当てられ、強引に正面へと開かれた。体重と手のひらでしっかりとホールドされては身動きできず、反射的に腕を前に構えて距離を取る。女性が上に乗ってきた時とはまるで違う、組み敷かれる恐怖に僅かに怖気づく。先程からどくどくと心臓が音を立てて血液の巡りを早くしていた。
    じゃあ触るから。しっかりと宣言された後、腰を掴んでいた右手が滑るように腹部へと移動し、大きな手のひらが脇腹を撫でた。手入れされた爪は体を掠めることはなかったが、皮のボールを扱う指の腹の皮膚は硬くざらついた感触がする。むず痒く、身動ぎすれば未だ腰を掴んでいる手に力が込められた。腰の骨の形をなぞるように親指が這うのを感じ、こそばゆいのと電気が流れるような感覚との狭間でつい短い声が漏れてしまう。慌てて口を塞いで腹筋に力を込めるが、見透かしていたのか脇腹を撫でていた手がへそ付近に添えられ、緊張を解すように円を描かれた。かと思えば悪戯に腹側を指先で辿るのだからその度に声を上げた。
    もどかしい痺れが足のつま先から手の指先までじんじんと流れる。苦しい程の感覚に対処しきれない脳は、どういう訳か目尻を焼いて涙を促した。

    「ねえ、顔も触りたい。手、退けて」

    三井の答えを聞かず、強引に口を拘束していた手が解かれる。頬を包む手は熱く、かさついた親指の先が皮膚を引っ掻いた。目頭から目尻へ、頬骨を伝い、口元をなぞる。水の膜を張った瞳と先程の口付けでまだ濡れている唇を見ると、宮城の目は満足そうにほくそ笑んだ。親指はそのまま口端からゆっくりと口内へと侵入する。舌と同じように、三井の口腔内の肉厚を堪能するように触れ回った。少しばかりの塩味が広がり、物を口に含んでいるため否が応でも涎が溢れてくる。零れそうになるとすかさず宮城がちゅう、と吸い上げた。親指が口内を楽しんでいる間、人差し指は耳へと移動し確かめるように凹凸に触れる。滅多に触られることの無いそこを擽られ、いやいやと顔を振ろうにも両手で頬を固定されては動けない。器用に指を動かす宮城の愛撫を三井はただ受け止めることしか出来なかった。
    一通り触れて満足したのか、漸く宮城の手が離される。垂れる涎もそのままに、残った感覚が三井の体を小さく痙攣させていた。解放されてほっとしたはずなのに、先程から内蔵の辺りが熱く切なく感じる。それに肌寒いと思っていた室内も、何だか熱帯夜のような湿度を孕んでいた。ぐったりと投げ出していた三井の身体に、尚も宮城の指や手のひらが撫でるように触れる。びりびりとした電流がまた四肢全体を流れていき、その様子が酷く煩わしく、その度に漏れる自分の声も情けなかった。ふうふうと上がる息が落ち着かず、心臓も早鐘を打ち鳴らしていてうるさい。熱さで頭はぼんやりするのに身体は神経が剥き出しにされたように敏感だった。体験したことのない状態に戸惑いが隠せず、つい這いずって逃げ出そうとするが背中にはずっしりと宮城が体重を乗せてくる。

    「ちょっと、なんで逃げんの」

    吐息混じりの声が耳にかかる。低い声は熱っぽく、耳介に触れる唇が動く度に耳を喰んだ。逃げるために伸ばした三井の手首を厳つい手が掴む。じとりと汗ばんでいるのに燃えるように熱くて、このまま溶かされるんじゃないかと錯覚する。反対の手は骨盤をがっしりと掴んでいて到底逃がしてもらえそうにない。まるで小動物にでもなったようで、反射的にイヤだと呟いてしまう。すると手首を掴んでいた腕がぴくりと跳ねた。落ちる沈黙の中、脈打つ心臓と二人の荒い息遣いだけが聞こえる。

    「ほんとに?」

    少しだけ、不安が混じった声で宮城が尋ねた。三井の拒む発言に怯んだのだろう、腰を掴む手からほんの僅かに力が抜ける。
    知らない感覚に支配されていくのを怖いと思ったのは事実だ。電気が駆け巡り手足が痺れて流したくもない涙が溢れそうになるのだって屈辱的だった。やめて欲しいと思った感情に嘘はない。だが、問いかける宮城の言葉に力強く頷くことも出来なかった。何故なら今、自分の身体に起きている異変に気づいてしまったから。

    「なぁ、答えてよ」

    そう言って腰が押し付けられる。三井の尻に押し当てられた硬い物体。同じ男なのだからそれが何なのか、またどうしてその状態なのか、聞かなくても分かる。何より、三井も宮城と全く同じ状態だったからだ。
    答えられずにいると肩を掴まれ、体を無理に宮城の方へと向けられた。ばちりと目が合った宮城の表情は興奮で顔が赤く染まっており、切なげに眉を寄せている。押し付けられていた下半身はすっかり膨れ上がり、ジャージの形を歪にゆがめていた。互いの昂りが布越しに伝わり、ゾワゾワとしたものが込み上げて太腿に鳥肌を立てた。それによってはっきりする。これは、過去の時とは明らかに違うこの感情は。

    「み、ぁぎ」
    「ん?」
    「なぁ、もっと。もっと───」

    呟いた言葉を受けて宮城の喉がゴクリと鳴った。眉を下げ、余裕のない平気な顔でりょーかい、と短く返す。
    太い人差し指が三井のジャージのゴムへと引っ掛けられた。ゆっくりと焦らすように下へ下へとおろされていくのを凝視しながら、三井もまた、大きく喉を鳴らした。
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