昼間に「会えるかな?」などとメッセージが来ていたのを見て、その時は分からないとだけ返していた。だが、やはり気に掛かったので渡されている合鍵を使ってアベンチュリンの家へ向かうと、案の定玄関から伸びる廊下の上で行き倒れている男がいる。
「……おい」
「あは、レイシオ! 来てくれたんだね」
辛うじて靴を脱いでいる彼は、ずりずりと衣擦れの音を鳴らしながら寝返りを打つと、へらりと笑ってレイシオの方に視線を向けた。その顔には疲労を中心に隠しきれない影が落ちていて、外面の良い彼でも限界を迎えていたことが窺い知れる。
「そんなことだろうと思っていた。ここにお菓子たちもいるのはどういう了見だ?」
「ん〜、僕が力尽きてたら寄ってきてくれたんだ」
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