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    udukihp

    進捗とか 進捗とか 進捗とかです
    時折完結したお話も載せます
    HL、もしくは夢の進捗を晒すことが多いです

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    PROGRESS鍾蛍 ぼんじんいちねんめの鍾離先生に蛍ちゃんが恋を教える話 プロローグ「すまない、蛍」
     そっと、吐き出された言葉が、耳朶を打つ。その瞬間、更に続けて口にしようとしていた言葉や感情、あれそれが、喉の奥に詰まってしまうような心地がした。
     言わなければ良かった、と思う。言わなければ関係性を崩すことはなかった。言わなければ、謝らせることなんて、なかった。自分の感情と言葉が、大切な人を曇らせるものになるだなんて、思い知らされることだって、無かっただろう。
     何か言わなければ。冗談だとか、そういう風に言えば良い。それだけでこの場の雰囲気は払拭される。あわよくば、何も言わなかった時のように戻れるかもしれない。そう思う。――思うのに、言葉が出てこない。喉の奥がぎゅうっと縮こまって、言葉が形にならない。
     蛍はじっと鍾離を見つめる。金色の、琥珀のような瞳が、微かに伏せられているのが見えた。長い睫毛も、すっと通った鼻筋も、何もかも綺麗だな、と思う。月の光を凝縮して形にしたなら、こうなっただろうか。体を彩る全ての線が銀を帯びているように、見える。
     鍾離を眩しく思い始めたのは、いつのことだろうか。あまりきちんと覚えて居ない。ただ、綺麗な人だと思った。見た目もさながら、その 2302