それが自分のやるべき事 あの天下の創務省が起こした会見が始まる一週間ほど前、凪と八重が営んでいる【何でも屋】に一人の女性がやってきた。白い髪をボブショートにして、水色の目をした女性だった、どこかで見たような、なんて凪が首を傾げていると、その女性はファイルを差し出した。
「貴方達に届けて欲しいと言われました」
「……これ、もしかして」
八重が何かを察したのか、ファイルを受け取り中身を読み始める。凪もなんだろうか、と覗き込むとそこに書かれていたのは【第四次大規模検閲】と書かれた文字が目に映る。それを見た時、思わず凪と八重は顔を見合わせて、女性を見る。
「あんたこれ……創務省の機密書類のはずじゃ……」
「……羽紅くんかな、これを届けてって君に頼んだのは。……幽さん」
1696