青い空 夏、外に一歩出れば一瞬にして汗が吹き出すほどのムッとした空気に少しだけ顔をしかめる。そう、暑い。暑いのは当たり前だ、夏なのだから。コンクリートからの照り返しもあり、ますます暑い。創は顔を顰めつつ、街の繁華街の日陰にて鈴鹿と共に立っていた。
今日は鈴鹿ともう一人、自分の親友である琥珀と一緒に隣町まで出かける約束をしていたのだが、生憎琥珀の方が遅れると連絡があったのが約束十分前。すぐに終わるからと返信が来たため、少し外で待つか? と話になって十分後、その選択肢が間違いだったことに額に滲んだ汗を拭いながら、隣にいる鈴鹿を見た。
「クソっ! あっちぃんだよ!」
「ガラ悪ぅ……」
隣にいた鈴鹿は、誰が見ても苛立ってるのが分かるほどに眉をシワがつきそうなほどに顰め、舌打ちでもしそうな程だった。
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