お祝いのケーキ「レイフってほんとお菓子づくりだけは上手いよな」
「料理も練習してます、ちゃんと」
「あれで……?」
ここはレイフが住んでいる家。カウンターキッチンにてケーキの生地を混ぜているレイフを眺めているダミア。レイフは、料理の腕は壊滅的なのだが、何故かお菓子作りだけはプロ並みに出来ていた。とある意見では、きちんと測るからこそ作れるのでは、と言われていたが、それはそれでなぜ料理が出来ないのか不明である。
なぜ、レイフがケーキを作っているのか。それはもうすぐダミアの誕生日だったからだ。誕生日当日は、色んな知り合いからお祝いされるのを考慮して、少し早めに祝わせてほしい、とレイフが頼み、今に至る。
ケーキ一つ作るのにも気を使うところがあるのだ。それは分量を測るのではなく、獣人だからこその問題。食べられる食材と、食べてはいけない食材がある事だ。
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