イタズラ れいとが教室に入ると、丁度席を外していた同じグループメンバーの星哉の机に、ひなたが何かしら鉛筆を大量に出し、削っていた。ただの鉛筆を削っていた訳ではなく、女児が喜びそうなデザインがされた鉛筆だった。
「え、えーと。ひなたくん……? なにやってるの……?」
「んー? せーやくんの筆箱の中身を全部これにするの! れーとくんも手伝って!」
星哉の筆箱は、そこまで大きいものでは無いことをれいとは知っていた。知ってはいたが、軽く十本以上はあるであろう鉛筆と鉛筆削りを渡される。
「星哉君に怒られない!? 大丈夫!?」
「そういう日だったって事で」
「それで誤魔化せれるの……?」
「今日がそういう日だったもん、しょうがないよ」
1939