産めず育てず地に満ちず───……日二十二時すぎ、……市国道沿いの路上にてヒト型ロボットの切断された腕のみが投棄されている事案が発生しました。警察によりますと、切断面は鋭利な刃物によって切断されたようなあとがあり……───……通り魔の犯行とみて警備の強化……───
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「鋭利な刃物、だってよ。ちゃんとセラミカルチタンって言えよな」
「……」
ノイズのひどい古ぼけたラジオの音と、妙に湿度の高い空気。身じろぎすれば足元でじゃりじゃりと音が鳴り、椅子に縛られて不自由な上半身には肩から先の感覚が無い。
そんな状況下で再起動させられたカットマンは、眼前の下手人を睨みつけていた。
「通り魔だと思われてるのも気に食わん。もっと『Dr.ワイリーの魔の手が!?』……とか騒いでくれてもいいのにな」
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