「あいつらどこに行きやがったんだ……?」
ゾロは一人、賑やかな街の中心で舌打ちをした。
長い航海の途中、たまたま立ち寄った街で買い物をすると船員達皆で船を出た。ここまでは良かった。
皆で行動をしていたはずだったが、雑踏の中、いつの間にか仲間達の姿が見えなくなりゾロは一人往来の中心で渋い顔をしながら周囲を見回していた。
「くそ、港はどこだ」
気の強い航海士が、長くこの街には滞在しない、買い出しが終われば直ぐに出ると話していたことを思い出し、ゾロの中に少しだけ焦りが芽生える。
置いて行かれることはないが、何を言われるか分かった物じゃない。
来た道を戻れば良い。ゾロは左へと向き店と店の間の路地に入ろうとする。
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