土手南瓜は菓子の夢を見るか「……」
「……」
超魔生物は目の前の生き物に困惑していた。
頭部は南瓜である。
黒いケープのついたマントで体を覆っている。
「オカシ、クレナキャ、イタズラスルゾ(裏声)」
「……」
「オカシ、」
「もう三回目だ聞いている」
問題は南瓜の両脇から飛び出しているツノと薄板だ。
……仮装のつもりなのだろうか。
……仮装なんだよな。
おそらく南瓜の中身であろう副官はじっと黙って立っている。
返答を待っているのだろうか。
「今オレは菓子など持ち合わせておらん」
「ジャ、イタズラ、シテイイデスカ……スルゾ」
「待て」
ケープの裾から両手をわきわきさせながら近寄ってくる南瓜を制止しながら必死で頭を働かせる。
何だ。何だこれ。何が起きてるんだ。
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