ああ運が悪い
影宮も氷浦も、時音まで街のどこかへ消えていってしまった。
三人揃って某チェーン店で勉強してから帰ると言っていたが、なんで仕事帰りに勉強道具を持ってきてるんだおかしいだろ、おかしい、絶対におかしい。
「良守にはまだこの範囲は早いのよ。帰って私がチェックしといたところ復習しておきな」
馬鹿にしやがって、俺も最近は少し成績上がってるんだぞ。やることねーから。
まあハブられたのはもういい、寂しいけどもういいさ。しばらくお菓子作ってやんねーからな。
いや、でもこの前作りすぎたクッキーどうしよう。
………こいつに渡す、のも有りか…?
そっと顔を盗み見る。まだまだこいつの身長は越えられないらしい。実は正直、ここまでデカくなれる自信は無いがやはり長年意識していたことは簡単には覆せず、自然と眉間に皺が寄ってしまう。
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