甘いビヤク(ヒュン×ダイ編)ビジネス街にある広い公園は、昼間ならば人が多いが、夜になると一変して人はまばらで静かである。その公園のベンチに、ダイは所帯無さそうに座っていた。
今日は、寒さが一段と厳しい。普通ならばとっくの昔に急いて帰宅する程だ。
今日は、寒さが和らいで欲しかった。
寒さの馬鹿とボヤきながら、ダイは首に巻いた青いマフラーに顔を埋め、素手同士で擦り合わせる。
本日、久々に大事な人と会う約束をしていた。前日までどんな事を話そうかと考え、今日という日を待ち侘びていた。なので、寒くても帰る訳にはいかない。
何時間でも待ってやるぞー!寒さなんかに負けるか!
うつむき加減の顔を起こし気合を入れた次の瞬間、強い北風が吹き荒れた
。風は顕になっている顔を強く叩きつけ、髪を乱暴に遊んでいった。
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