言の葉の力本日も試合で十分に活躍し、そして勝った。
試合終了後、労いの言葉を掛けようと後ろを振り向き、真っ先に明るい色の髪を探した。
だが、何処にも眩しい色は見つからない。
そこで、気付いた。
数か月前に、離れた事を。
「あー」
無意識の行為に、気まずそうな表情で後頭部を掻き毟った。
いない事に慣れた筈だが、時々あの眩しく暖かな光を探してしまう。
どんだけ、恋しいねん。
独り言ちながら、力無く会場を後にし控室に入ると、ロッカールームからタオルを取り出し、乱雑に汗を拭いとる。
背後の方では、今日の主役は自分だ、とか、本日の打ち上げの話をして、いつも通り賑わっていた。
「なあ、ツムツム。今日は〇××で良いか?」
「……あー、うん。ええで。」
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