【降風・ワンドロ】少なくとも友ではない【抱き寄せる】「あら、ここに降谷君がいるって聞いて来たんだけど」
カランとベルを鳴らして店内に入ってきたショートカットの金髪の女性はキョロキョロと店内を見渡した。女性の後ろにはニット帽をかぶった男性が立っている。
「ジョディ」
「あ、ごめんなさい」
男性が女性を呼ぶ。すると女性はバツが悪そうな顔をしてへこんだ様子を見せた。どうやら見知らぬ彼らも降谷が安室として生きていることを知っている人間らしい。
「いらっしゃいませ」
風見は詮索するのは後にして、とりあえず二人を人目につきにくい位置にある席へと案内する。
「こちらがメニューです。お冷をお持ちしますね」
席に着いた二人はメニューを開くとあれこれと話している。距離感からして二人は職場の同僚といったところだろうか。降谷のことを知っていることから、警察時代の関係者なのだろう。
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