朽木の屋敷は広い。
幾度目かの朽木家に訪れた際、探検をする年齢ではないが好奇心に勝てなかった一護は屋敷の中を探索する事にした。
普通であれば友人の家であろうとも家の中の部屋を勝手に覗くのは失礼であろうが、家主が許可というか推奨までしたのだからやる他無いだろう。
迷子になった時の対策を聞きはしたが、家の中で迷子って、と笑ってスルーしていたのは一時間ほど前である。
「迷った!」
あれはフラグだったか、と一護は見知らぬ場所で頭を抱えた。
抑々屋敷の部屋は大体似たような造りである。
ならば今居るところが先程通った所なのかそれとも初めての所なのか分からなくなるのは当然である。
大体何で家がこんなに広いんだ、と一護は誰も見てない事を良い事に独り文句を垂れる。
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