【ブラネロ家族】クッキーに思いを込めて。「んじゃ、ちょっと行ってくるからいい子に留守番してるんだぞ、ジュニア、ネリー」
「わかった! 行ってらっしゃい。ネリー、ほら、ネロにいってらっしゃいは?」
伴侶にそっくりの長男がニパ、と笑顔を見せてから、腹にしがみついている妹の頭を撫でる。
この魔法舎で最年少の少女は、ネロに瓜二つ。今日は緑色のフリルがついた赤いワンピースを着せられている。クロエいわく、苺をイメージしたんだよ!というそれは、なんとも可愛らしいデザインだ。
彼女はネロを見上げて、うりゅ、と顔を歪めた。
「ねよぉお……うぁやあああん!」
「おわ! ネリー、だめだよ、笑顔でいってらっしゃいしよって兄ちゃんと約束したろ? ネロ、大事なおつとめなんだから」
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