100日後にくっつくいちじろ6日目
「兄貴、あーにき。風邪ひくってぇ」
23時過ぎ、長男が土埃の匂いをさせて帰宅した。一日中の外仕事だったらしく、流石に疲れ果てている。とりあえず風呂へ入り、烏の行水でリビングへ戻ってきた兄を食卓に座らせた。三郎と連携してレンチンした夕食を並べ、麦茶を注ぎ、兄へ箸を持たせる。
「あー、三郎、お前明日早いんだろ。寝ていいぞ」
三郎は明日、校外学習でいつもより少し早く家を出るらしい。大丈夫だとごねる弟の背中を押して部屋に戻す。言っている間にもう日付を越えそうだ。
「お前も先寝ていいぞ…?」
「俺はどうせならアニメリアタイしようかなって。あと5分ではじまるし」
眠そうにしつつ、夕飯を口に運び「これ美味いな」と褒めてくれる兄。二郎はそんな兄の正面に座ってそれを眺めた。
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