夢言葉では解決しないから
武器を持って
勝ち負けが決まれば
争いには意味が与えられて
悪と呼ばれるものは殲滅されて
平和という終焉が訪れるのだと子供の頃は思っていた。
心を傷つけられる人も
大事な人を失う人も
人生を上から押し潰される事なく
誰もが手を差し伸べられるのだ。
思えばそれはとてもロマンチックな夢を見ているようだった。
自衛隊に入っても
飛び出して傭兵になって世界を飛び回っても、
どれだけ人を殺しても
どれだけ死体が山積みになって
誰かの故郷が焼けてしまっても
自分がいるどころか、その周りさえ
なにも変わらなかった。
何も助からなかった。
手渡される金は
そういうところから回ってくるわけで
その金で俺たちはただ
戦争ごっこをしているだけ。
1866