【チャーハン作るよ!】 タケ兄がシンイチローの隣に戻った。
それだけで昔の兄貴が帰ってきた。
それだけの為に悪い大人になったけど、この未来は間違ってなかった。
「マイキー、寝るならベッドに行けよ」
「んー」
ソファーでウトウトしていると、声を掛けられた。
タケ兄が台所で何かしている。冷蔵庫や戸棚を開ける音がする。
玄関が開く音がした。やっとシンイチローが帰って来たか。
「明司さん、報告に──マイキー…」
「よっ」
「おう」
シンイチローじゃなくて場地だった。
壱番隊隊長だった場地も今じゃ組の若頭だ。わからねぇもんだな。
「■■組が──最近ウチのシマから──」
「そうか。だったら店のオーナーに言っとけ、人回すから──」
場地が難しい話をしている。それが何だか面白くて怖かった。
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