ハイラート反対「昨日ハルトの部屋で話してたらそのまま寝ちゃって、さっき帰ってきたとこだべ」
「あ、ごめん。その日はハルトがこっちの部屋に来る約束してる……」
「昨日もいつかハルトと旅行行こうって話になって盛り上がって」
声をかければ、そんな事を平然と言ってくる。オイラの片思い相手。
「あー、そりゃ残念」
ヘラヘラ笑って誤魔化すが、物凄い遠回しのデートの誘いを他の男の名前を出してストレートに断られたのはやっぱりちょっとへこむ。そして周りに人がそれなりに居るところで声をかけたのも後悔した。
「おい、聞こえたかよ。スグリまた朝帰りだって」
「お盛んなこった」
「あんな明け透けに言うの、すげぇエロいよなぁ」
コソコソ聞こえてくる言葉。三年になったスグリはまだちいさいけどそれなりに背も伸び、栄養不足丸出しのガリガリだった体にも程よく肉がつき、胸もわりとある方で、そして顔も成長と共に所謂美人系へと突き進んでいる。口を開けばまだガキだなと思う事も多々あるが、色気も出てきて遠くから見てる分には目を引く憧れの上級生の女子として申し分ない。だから、スグリに対するそういう話も嫌でも耳に入る。
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