花冠の節レトユリ プロット供養 蒼√べ「どうだ?」
白い婚礼衣装に身を包んだベレトは着付け係の侍女に訊く。
侍女「とてもお似合いです、動きにくいところはございませんか?」
ベ「ああ、ぴったりだよ」
ベレトは軽く腕を回して袖の動きを確認し、満足そうに答えた。
衣装は簡素な意匠ながらも最高級の純白の絹で仕立てられ、上衣には白い絹糸でユリをモチーフにした細かな文様が全面に刺繍してある。背中から垂らされた床まで引き摺るマントは白いジョーゼットで、透けた生地に金糸で刺繍された小さな星がそこかしこに散りばめられている。それは薄暗い大聖堂でも僅かな光を拾って夜空の星のように輝くよう設計されたものであるらしい。
侍女「先生、頭に花冠を載せますから少し屈んで下さいますか?…あぁ、私ったらつい癖で先生と呼んでしまいますわ」
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