【aoom】キャリアトップチャンピオン。この肩書きを得るまでに、長い長い道のりを歩んできたような気もするし、気がついたら登り詰めていたような気もする。
犠牲にしたものもあった。歯を食い縛って耐えたこともあった。それでもやってこれたのは、自らのキャリアに誇りを持っていたからだろう。
「チャンピオン……としての業務は、あなたに任せられそうにもありませんね」
「そうですね」
低評価とも受け取れるオモダカの一言に、彼は素直に頷く。
今後のキャリア形成に関する面談と称して呼び出した男と、話し込んでかれこれ三時間になる。彼の今後の業務内容についての話し合いは、最初の数十分でとっくに終わっていた。
四天王とジムリーダーの兼任、これだけでも十分によくやってくれている。その上、「チャンピオン」としての業務を任せる訳にはいかないだろう。
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