世にも可笑しくて奇妙な三角関係皆がそう呼ぶから、私は自分が籠の鳥…金糸雀(カナリア)だと思っていたけれど、婚約者の話が出た時にどうやらそれより似つかわしいものがあると気づいてしまった。
大きな翼を持ちながら白鳥のように羽ばたく事も出来ず、生まれる卵も規格外のそれは、※スワン(※神子という意味)にも普通の人間にもなれない半端者…まるで駝鳥(ダチョウ)の様だと。
そして、残念なことに私は飛べない鳥の唯一の取り柄である【視力】も持ち合わせていないため、それ以下の価値……つまり種馬的役割くらいの存在なのだろう。
それでも…それでもいい。種に留まらずこの身は肉片から羽1本までこの国に捧げる為にあるのだから。
そう思っていた。いや、思おうとしていた私を変えてくれたのは活発な女性と、威厳のある男性だった。
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