ローレンティアの誘惑 国から火急の知らせが届いたのは、リュールが仲間を連れて異形兵の掃討へと向かったばかりの昼時だった。
慌てた様子で兵士から書簡を受け取ったディアマンドは王城から届いたそれに目を通して段々と顔を険しくしていく。
王城から遠くない街でディアマンドが王位に着く事に反対している貴族を中心に暴動が起きているとの知らせだった。
中心となっている貴族は何度もディアマンドに書簡を送ってきていた貴族で戦いが終わるまではと曖昧な返答を返していた自分にも非はあるだろうとその街へと足を運んで直接その貴族と話をする事にしたディアマンドは書簡を持ってきた兵にその旨を王城に伝え、騒動となっている街へも早馬を頼んだ。
急ぎ出て行く兵を見送ると部屋着からいつもの戦いに赴く時の服に着替え剣を手にすると、急いで向かおうと自室の扉を開けた所で丁度ディアマンドの部屋の扉をノックしようとしていたアルフレッドと鉢合わせた。
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