木漏れ日に隠れると、ぴゅうぴゅうと、隙間を縫うように風が抜けた。
暑い暑い、、と思っていたのに確実に秋は近づいてるようだ。
くしゃっ
足元でした音に目線を下げると茶色く乾燥した落ち葉たち。
まだ数枚しかないそれを踏みながら歩く。
しゃく
とっとっと
ぱりっ
とっとっとっ
そうだ、秋になったら紅葉でも見に行こうか。去年買ったガイドブックに載っていた一面の紅葉。それらはもうすぐ近くにある。新幹線に乗らなくても、電車やバスで見に行ける。いや、車で行かなきゃ行けないとこかも。やっぱり夏のうちに免許取っておくんだったなぁ、とちょっとだけ後悔していたら鼻先に秋の空気が潜り込んだ。
「青木」
振り向くとそこには今朝と同じ姿の井田。
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