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    @t_utumiiiii

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    @t_utumiiiii

    MAIKING謎時空の泥庭(青髭と怪鳥)
    (1) 「青髭」というのはグリム童話の一つであるが、郊外に大層な屋敷を構えている彼は、近隣の町の住人からそう呼ばれている。郊外に建てた屋敷に閉じこもるように暮らし、後ろ暗い経歴のある大勢のものがそうするように、近隣のまともな地域社会と関わり合いになろうとしない、偏屈な独り身の金持ちが彼だった。
     青髭の屋敷には、得体の知れない連中が雇われている。日々飲み屋に入り浸って日銭を泡にしているような連中の間で、気前よく仕事を与える彼は「気のいい領主」のように親しまれているのだが、一方で、素行が良いと地元で折り紙付きの者が物は試しと乗り込んでみても、その男から仕事を賜ることはなく、追い出されるのがオチだった。
     そうやって追い出されるのならまだ良い。その屋敷に入ってくると、二度と日の目を見ないものもある。例えば、クリスマスに買い与えられたサッカーボールやラジコン、糸の切れたタコなんかが、ひとたびその屋敷の敷地に吸い込まれると、子供がどれほど泣きわめこうと、二度とは戻ってこなかった。迂闊に取り返そうとして屋敷の扉を叩けば、その日以降、青髭が雇っているに違いない素行の悪い連中からしつこく絡まれ、遅かれ早かれ、夜逃げ同然にその町を追われることになるので、もう誰もそんなことをしない。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE探偵パロ泥庭同人誌(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12268948)の時空で、令嬢が忘れてったパイプを助手が勝手に吸ってる二次
    たばこ※探偵パロ泥庭 床に所狭しと物が転がっていて散らかり放題というわけではないが、部屋の主人が思いつきのままに行動するだけして後片付けをしない(し、助手として雇用されている体だが実質雑用係か使い走りに近い身分のピアソンも、お世辞にもきっちりとした性質ではないので、主人に放り出されて床に転がっているものを、とりあえず上に上げておく程度のことしかしない)ことから、依頼人を通すというにはどこか雑然とした雰囲気の事務所は、今は無人だった。昼下がりの黄味がかった陽光が窓から差し込んで、卓上に積まれた諸々の書類や、厚手の本の表面を焼いていた。
     出入口近くのコート掛けからは例のインバネスコートが消えているから、事務所の主人たる探偵は、どこかへ出かけているのだろう。ピアソンは昨晩の夜遊びが祟って、午後になってからようやく、屋根裏に置かれた彼のベッドから起き出してきたところだった。いつになく静かな事務所に降りてみると、そういえば、クリーチャーが一人で、この部屋に残されるのは珍しい(大概は連れまわされるか、そうでなければ、例の大家が憲兵か何かのように目を光らせているかのどちらかだった)。
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