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    ・オタクの二次
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    DOODLEエミリー先生にリースを編むためにミモザを取ってきたウッズさんにダル絡みしたら花を分けてもらえたピアソンさんが浮かれてる現場に遭遇したフレディ・ライリーの二次です(泥庭+弁) ※セクハラ/強めの言葉の描写
    mimosa(泥庭+弁護士) 黄色く細かい綿埃めいた花が、しなだれるような枝先に向かっていくつもの連なっているそれには、ミモザという名があるそうだ。ピアソンにとっては、敢えて注目したこともない花だった。とはいえ、ミモザは都市の生活環境のなかではいたって身近な植物であり、日当たりのいい屋敷の南側の生垣や、こじんまりとして感じのいい庭の入口の門などに覆いかぶさるように生えて、春先には黄色く感じの良い花をつける。単純にそれらが、およそ都市の貧民街の中にすっぽりと納まっている、ピアソンの生活半径の内側に存在しなかった、というだけのことだった。
     あんたがよく手入れをしている例の中庭にそれが生えているのを見たことはない、などとピアソンが言ってみると、ミモザの花のついた嵩張る枝葉を腕に一抱えするほど持ちながら屋敷の廊下を歩いていたところで呼び止められていたエマは、僅かに面倒臭そうに、しかし、あからさまに皺を寄せたと見咎められない程度に眉頭を寄せながら、「……裏の林に生えているのよ」と言った。未だ姿を見せることのない荘園主の手紙によってほうぼうから呼び寄せられ、その後荘園に閉じ込められた招待客(サバイバー)らが仕方なく共同生活を送っている屋敷の裏手に、鬱蒼と広がっている林のことだ(定期的にそこから荘園の外へ脱出できないかを試す連中が現れるが、成功したという話はひとつも聞いたことがない)。
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    DOODLEミルエダ+オフェンス(※エダは不在)
    ※日記のないキャラクターの言動を背景推理などから捏造
    ※19世紀末を想定した差別・偏見描写
    ※捏造設定荘園
    患者(ミルエダ+オフェンス) 荘園においてエミールに与えられた肩書き(ロール)は「患者」であるので、試合の場で彼が、およそ患者らしからぬ立体的な動き――鉤爪を使った逃走――を見せようと、多くのサバイバーは彼を「患者」と認識して疑わなかったし、彼が何故患者になったのかの来歴に興味を持つような奇特な者もいなかった。
     彼は常に、例の女の「心理学者」に連れられ、彼女よりも背の高い身体の肩を丸めながら女の影に隠れるようにしているが、試合の場での動きには申し分なかった。肉体に問題がないという事であれば、彼の病は精神か頭に関するものなのだろうと、消去法で推測することはサバイバーらにとってそう難しいことでもない。
     それ以前に、試合の場での活躍を見ずとも、日頃エミールが身に付けているのは、時に攻撃的な態度を見せる精神病者のための薄汚れた拘束衣だった (「心理学者」による治療は一定の成果を上げているようで、患者がそのような攻撃的な態度を荘園で見せたことはなかったが)し、汚れた包帯を巻き付けたボサボサ頭に拘束衣、しかも裸足という、少なくともあまり身なりに気を払っている風には見えない彼の容貌、特にその下瞼は、およそ「通常の人間」らしからぬ引き攣り方をしていたから、患者を一目見た時点で、彼の抱える「病気」が、精神か或いは脳機能に起因するものと検討を付けることもできない話ではない――つまり、エミールは一見して「患者らしい」容貌と身なりをしているということだ。しかも、彼の治療を行っているという「心理学者」に聞けば、その辺りの事情は特段の隠し立てもなく開示される。
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    DOODLEリッパー(パティシエ)とヘレナ・アダムス(甘いケーキ) 広義のリパヘレ ※日記のないキャラクターの背景推理等から言動を捏造※荘園設定の捏造※キャラクターの一人称としての女性蔑視・ルッキズムに基づき外見を貶す描写
    ヘレナ・アダムスは“才媛”である。(広義のリパヘレ) 獲物が八体に増える協力狩りの場はただでさえ混沌状態に陥り易いものだが、リッパーは今しがた刃を引っ掻け転ばせたサバイバーが、何かを落としたことには気が付いていた。

     心眼ヘレナ・アダムス。視力の代わりに忌々しい暗号解読の才を得たという“才媛”である。リッパーはヘレナにその言葉を向ける時に限って、そこに若干の皮肉を交えていた。
     というのも、リッパーの評するところのヘレナ・アダムスは、女の身体に生まれながらこれといって華やかなものがなく、彼女が失った視界はどれほど美しいものだったのだろうと思いを馳せさせるような風情も持たない娘であった。その顔には、美しさに肝要な条件である凹凸が無いとは言わないが、どこを取ってもぱっとしない。どことなくのっぺりとして、カエルに似た容貌の娘。故に、見目に現れない“才”への褒め言葉が第一に来るということだ。つまり、ヘレナ・アダムスは“才媛”である。
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    DOODLE※謎時空探偵パロ(1990年代を想定)
    Mr.ミステリーが男やもめのレオ・ベイカーの依頼を受けて失踪した娘の行方を探す二次妄想です(還…パロ)
    レオ・ベイカーが“羊飼い”の助けを借り、娘を助けに行く回です。
    🔥🔥🔥 暗く冷たい洞穴は、人並みより遥かに立派な体格を持つレオには窮屈な代物だった。しかし、だからといって、進まないわけにはいかない。何よりもまず父親である彼にとって、奈落の底に娘がいると知りながら、それを見殺しにすることなどできる筈がなかった。たとえその道行にいかなる困難があろうと、それが人の道やおよその道理から外れた行いであろうと、その結果が自分の身にどのような影響を及ぼすのかさえ、レオにとっては尋ねるにも値しない些事に過ぎなかった。愛する我が娘を、暗くおぞましい場所から救い出す。それさえできれば、後はどうなろうと、レオの構うところではなかった。
     その洞穴の表面、不愉快な湿り気を孕んだ土壁のそこかしこに露出している痩せた木の根が、レオのシャツの生地を引っ掻きその繊維を削っていくが、レオはそれに気付いた様子もなかった。それに、今更彼の着ているシャツの一枚二枚の見てくれなんて、気に掛ける者もいないのも事実である。レオはより暗い方へ、洞穴の奥、生臭い風の吹きつけてくる方向へと進む。
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    DOODLE※謎時空探偵パロ(1990年代を想定)
    Mr.ミステリーが男やもめのレオ・ベイカーの依頼を受けて失踪した娘の行方を探す二次妄想です(還…パロ)
    リサの行方を調査するMr.ミステリーがマーシャ・ライリーが入院している精神病院を訪れる回です。
    ※精神病に対する偏見描写があります
    8「できるなら、おたくの奥さんの話も伺いたいものだが」と続ける Mr.ミステリーを、時間にしては十数分ながら、そこらの他人には絶対にしないーーそして、望ましくもないーー打ち明け話をした相手にするには適当なぞんざいさで事務所から追い出したフレディ・ライリーは、月に一度、きまって二週目に、✗✗州の国立公園近くにある私立病院に通っている。そこは都市部にほど近くあるライリーの弁護士事務所からも、事務所からは車で十五分程離れたところにある彼の自宅からも、車で一時間程度離れた場所だ。
    「言葉を選ばずに言えば、まあ……外聞が悪いからか?」
    20世紀も末に至ってなお、精神病に対する偏見には根の深いものがある。傭兵としての任務を終えたあと、いっとき精神科からの処方を受けていたMr.ミステリーが、故郷と比較すればとんでもなく物価の高い場所に住みながら、得てして危険かつ非合法な「任務」を得る以外の形で故郷の家族を満足に養えないのには、彼がアジア人である他に、彼の受診歴が問題とされることもあるだろう。
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    DOODLE※謎時空探偵パロ(1990年代を想定)
    Mr.ミステリーが男やもめのレオ・ベイカーの依頼を受けて失踪した娘の行方を探す二次妄想です(還…パロ)

    リサの行方を調査するMr.ミステリーがリサの実母からの証言を聞く為、フレディ・ライリー弁護士事務所を訪れる回です。
    7 現状の容疑者の一人でもあるレオの元妻・マーシャに話を聞くため、Mr.ミステリーが照会情報を元に彼女の現住所(隣の州だ)の電話番号に掛けてみたところ、誰かしらが電話口に出はしたのだが、名乗りもしない。
     沈黙に耐えかねる、というよりはこのまま黙り込んでいたずら電話とされても困るという心地から、Mr.ミステリーが「こちら、マーシャ・レミントンさんのお電話で間違いないですか」と当たり障りのない文句を唱えてみると、聞き良い程度にハリのある男の声が、しかし不躾な調子で「誰だ?」と言う。
     問われてしまっては仕方がない。Mr.ミステリーが渋々、「……こちらMr.ミステリーの探偵事務所」と続けるや否や、「しつこくかけてくるようであれば、通報を検討する」という旨を早口に告げられた後、にべもなく電話を切られた。向こうは受話器を叩きつけたに違いなく、ガチャン!と轟くような終話音に、Mr.ミステリーは顔を顰める。
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    DOODLE※謎時空探偵パロ(1990年代を想定)
    Mr.ミステリーが男やもめのレオ・ベイカーの依頼を受けて失踪した娘の行方を探す二次妄想です(還…パロ)

    リサちゃんがお父さんに連れてこられた礼拝所で、礼拝所のおじさんとちょっと喋ったときの話
    🌷🌷お父さんは、リサの頭が痛くなったり動けなくなったりしたときには、リサを連れて、病院のかわりに教会に行く。
    階段を下へ下へ下っていく“礼拝所”への道は、そのまま地獄に繋がっているような気がして怖いけれど、そこに行くときはいつも、お父さんがリサを抱っこして連れて行ってくれるので、リサは、本当は行きたくないのを我慢している。
    お母さんは時々、リサをちゃんと病院に連れて行くべきだと言ってお父さんと喧嘩をする。お母さんはそんな風に、お父さんみたいにここの人のことを信じていないから、ここに来るときはいつも、お父さんと二人なの。
    リサもお母さんと同じでここにいる人たちのことは信じていない。でもお父さんが信じたいのなら、それは半分くらいは本当のことかも知れないと思うこともある。ここに来て「お祈り」をしたり、「お告げ」を貰ったりするには一人あたりのお金が必要だからリサはいつもここにいるだけだけど、もしお金があったら、リサもここでお祈りをしてみようかな、という気分にもなる。リサのお願いごとは、「お父さんとお母さんに仲良くして欲しい。」それで、みんなで晩ごはんを一緒に食べるの。喧嘩はなしで!
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    DOODLEdebby[名]((略式))初めて社交界に出る女性/庭師遡及衣装妄想
    Waltz for Debby(庭師遡及衣装妄想 庭師と初期組) あくまで姿を見せない荘園主は、気まぐれに招待客(サバイバー)に衣装を贈る。荘園主の気が向くと、ある朝リボンのかかった箱がサバイバーの部屋の前に置かれていることもあれば、ナイチンゲールと名乗る大柄な女性――仮面舞踏会さながらのマスクで目元を隠し、両肩から大きな翼のようなマントを垂らしている。気品がありながら豊満な胸元、コルセットで引き絞られたウエスト、鳥籠さながらのクリノリンの下には――猛禽類のような、どころか、そのものといったところの、鱗が隙間なく敷き詰められた両脚――から、「荘園主からの贈り物です」という言伝と共に渡されることもある。
     今朝、エマ・ウッズの部屋の前に置かれたプレゼントボックスの中に入っていたのは、シルク地のイブニングドレスだった。晩餐会の絞られた灯りの中で一際映えるであろう鮮やかなビリジアンブルー、右肩は大きく開いて、若々しい首元を覆い隠すものは何もない。右肩には、ちょっとした枝葉を交えた花束を思わせる、可愛らしいカナリヤ色のコサージュ。細身の体のラインを魅力的に引き立てるマーメイドラインに、腰元を横切る白いリボンが可愛らしい。
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    DOODLE※風花雪月・紅花の章のエンディングネタバレを含みます。 ディミエデを前提としたフェルエデペアエンド二次 
    フェルエデペアエンド後のエーデルガルトがフェルディナントに呼び名を教えない話(師との支援はB止まり)
    coda(ディミエデを前提としたフェルエデペアエンド二次) 決闘の末に結ばれた女帝と鉄血宰相の逸話をなぞるように、エーデルガルトとフェルディナントは結ばれた。もしも、十年前の自分にそのことを言って聞かせれば、その場で卒倒……までは、まあ、しないでしょうけれど、大層驚くでしょうね、と、その現状についてエーデルガルトは、自分のことながら、やや呆れるほどの気持ちでそう思っている。
     士官学校に在籍していた当時のエーデルガルトにとって、フェルディナントの印象は、率直に言うと、あまり良くなかった。エーギル公の嫡男、何も知らない子供。大貴族である自らの血筋と家柄――「貴族であること」に対して非常に強い誇りを持ち、さらにそれを美徳として追及するフェルディナントは、貴族たる自らの理想を体現するためにか、或いは宰相家の嫡男ということもあってか、次期皇位継承者であるエーデルガルトに向かって、事あるごとに突っかかっては、故事になぞらえた「決闘」を申し込んできた。
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    DOODLEウッズさんに記憶がない泥庭同人誌の設定(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12846692)で、ピアソンさんがウッズさんを寝かしつける二次
    淑女の夜(泥庭) 少し前のことだ。羅刹緋春――例の、異国風の派手な赤いワンピース――を着ていた試合中に頭を強く打ったせいで、ただでさえ緩い頭のネジが弾けとんだのか、それまでの記憶のすべてが飛んだエマ・ウッズを捕まえて「自分たちは恋人同士」だと騙すことに成功したので、彼女はもうクリーチャーを拒むことはない。何なら少し構ってやらないで放ったらかしていると、どこで覚えたのかピッキングなんかしてドアの鍵を開けた挙げ句、クリーチャーの部屋に勝手に上がり込んで、帰りを待ち構えていたりする(最初はさすがの俺様もぎょっとしたが、しばらく続くと慣れた)。
     とはいえ、そうやって部屋の鍵を勝手に開けて、中で「待ち構えている」といっても、まあ可愛いもので、物々しい面持ちをしているわけでもなく、彼女は部屋の中で勝手に掃除をしていたり、そこらに放っておいたクリーチャーのシャツを繕ったり、繕うようなシャツがない時には、自分で持ち込んだ布に、何かを熱心に縫い付けたりなんかしていて、それで、クリーチャーが戻ってきたのを見ると「おかえりなさい!」と言って、花の開くように笑うので、クリーチャーは「留守の部屋の鍵をピッキングで開けて上がり込むんじゃない」「一体何のために鍵をかけていると思っているんだ」「だいたい、ピッキングなんかどこで覚えたんだ!?」というようなまっとうな苦情をずっと言い損なっている。
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    DOODLE「この歌劇では正義よりも慈悲が重んじられるのだ」(三文オペラ)/「ホワイトサンド孤児院にリサは収容されていたが、ピアソンは顔を覚えていなかった」という前提で、ピアソンさんがたまたま懐具合に余裕があったのでリサを病院に売らず手元に置いたifルートのピアソンさんとリサ ※暴力・虐待を連想する描写があります
    乞食王(泥棒遡及妄想時空のピアソンとリサ) いっときはホワイトサンドストリートに建てた「自分の王国」から追放されるという憂き目を見たものの、出獄後の通りすがりでたまたますれ違った紳士の財布を元手に始めた私的な金貸しの副業が大当たりしたピアソンは、今や、ある意味で裏路地を取り仕切る顔役となっていた。食い詰めたよそのものが住処を追い出されて流れてきて、ここらの地べたに座り込み哀れみを乞うには、「乞食商会」を束ねる彼への「届け出」と「許可」、そして、稼ぎの半分を上納金として納めることが必要だった。
     王は王でも「乞食の王」という身分は、彼がかつて肩書きにしていた“慈善家”と比べれば、社会的な地位としては雲泥の差だ(と、ピアソンだけがそう思い込んでおり、実態としてはどちらもそう大差ないのだ)が、何であれ、自分を長に据えた居場所があり、自分が汗水だけに留まらず、時に血を垂らしながら何かとあくせくしなくとも、他の乞食どもの上前で酒を飲むぐらいはできるのだから、まあ、それなりにいい身分ではあった。
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    DOODLE「純粋と神聖をもって生涯を貫き医術を行う。」(ヒポクラテスの誓い)/リディア・ジョーンズが「特別なサービス」を行うことなくリディア・ジョーンズ診療所を運営できたので指名手配されることもないし荘園にも来ない・リサを途中で投げ出して逃亡もしないifルートのリディアとリサ 若干恋愛をイメージした描写があります
    完治(医師遡及時空のリディアとリサ) 毎週水曜日の午前中、ジョーンズ医師はホワイトサンド・ストリート59号の精神病院にて診察を行う。それは彼女の中で、医療という能力を持つ機会を得た者が行うべき、当然の奉仕活動だった。
     彼女がボランティアでの診療を行うホワイトサンド精神病院は、元は孤児院から改築された児童精神病院を母体としていることもあってか、年端もいかない年齢の収容患者が少なくない。しかし、治療と言うよりは、時に懲罰的な趣さえある水浴や電気椅子といった、もっぱら「精神病に対する治療法」を行わなければ「手に負えない」ような症状を呈する子供というのは、その中でもほんの一握りに過ぎない、というのがリディアの考えだった。
     リディアの目から見れば、殆どの子供は、親という庇護を失い、幼いうちから厳しい現実と向き合う必要から、年頃にしては大人びが過ぎて、それが「過度に」反抗的な態度として現れていたり、それ以前にそもそも大人に対する信用の心というものを一切失っていたりといった、心理的な症状を示している程度にしか見えず、確かに「健康」な状態からは程遠いと言っても、その兆候から「これは精神病だ」と診断するのは、リディアに言わせてみれば短絡的が過ぎるというものだった。まして相手は子供で、まだ発達段階の過程にあるものだ。誰しもがこの手の気難しい時期をやり過ごして今に至る筈なのに、皆喉元を過ぎれば、その頃の気持ちの熱さというものを、すっかり忘れ去ってしまうらしい。
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    DOODLE一枚の広告「フレディ・ライリーは不良債権処理及び買収のプロとして、あなたのビジネスと成功のために尽力します。」/フレディ・ライリーがマーシャ・ベイカーに出会わず敏腕弁護士として活躍しているifルート 工場長のレオと時々レオの経営に口を出すマーシャ、明るく元気な一人娘のリサ(少女たちの確執衣装をイメージ)
    頼れるビジネスパートナー(弁護士遡及妄想時空のマーシャとリサ) 戦争が終結してからというもの、国際欄には和平の記事が目立ち、多少の小競り合いはあっても、少なくとも本土やそれに近い場所で「ライフルが飛ぶように売れる事態」には、およそ発展しそうにもない状況を報じる朝刊を見るにつけ、マーシャは自分の判断――そして、自分の説得を受け入れてくれた夫の寛容さ――に、心から安心するのだった。
     今も縫製工場を営み、余裕があるという程ではないものの、慎ましくも楽しい暮らしを維持するには十分な、そこそこの稼ぎを得ている彼女の夫・レオは、いっとき縫製業界での熾烈な競争にうんざりしたのか、或いは、当時まだ小さかった娘を抱え、先行きの不透明な縫製業界よりは、もっと「割のいい儲け」を得るべきだと、彼なりに使命感に駆られでもしたのか、その頃には業界外でも「奇跡」ともてはやされた軍需工場の購入、そして軍需産業への転身に関心を示していたのだ。その時の夫の浮かれようといったら無くて、明日にでも契約書にサインをしかねない勢いがあったところ、彼は寸でのところで落ち着きを取り戻したのか、「戦争が終わったらライフルなんて見向きもされませんけれど、人々が服を買わなくなることはないでしょう」という、マーシャが再三繰り返してきた説得を聞き入れ、奇跡の軍需工場の買収を取りやめ、渋々ながら縫製業界に留まることにした。それが今から、だいたい七年ぐらい前のことだ。もしあそこで判断を誤っていたら、夫を説得することができなかったら、私達は今頃、どうなっていたのだろう……。マーシャはそのことを考えるにつけ、背筋がぞっと竦む程だった。
    2007

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    MAIKING謎時空の泥庭(青髭と怪鳥) ※日記のないキャラ(機械技師・狂眼(?))の言動を背景推理等から無理やり捏造してる。
    (6) 丸い形のヘッドライトが特徴的な社用の軽自動車(店主は「お前さんの顔に似ている」と言い、その車をトレイシーに宛がった)で出先から戻るなり早速シルクハットを取り、その内側で冷や汗を掻き通していたボブヘアに風を通しながら、行きがけに店主が入れ知恵をした「青髭」の屋敷でのことがどんな具合に薄気味悪かったかを、さながら飲まされた毒を吐き出すような勢いで喋り続けていたトレイシーは、「そうやって可哀そうだって言い出したのが、いちばん不気味だった。」と、苦いものを噛み潰したように顔を顰めてそう零す。作業台の上で酒瓶を傾けていた老店主は、それを興味もなさそうに聞き流していた。
     老人相手に話をしているとも、一人で必死に言葉を吐き出しているとも取れない調子で、トレイシーはぶつぶつと零す愚痴の内容を次々変えていった。「青髭の妻」が、トレイシーの目から見るとあからさまに人間であったこと。それにも関わらず、彼女はまるで鳥籠のような大きな釣り鐘型の檻の中に、一瞬人形と見まがうようなやり方で閉じ込められていること。トレイシーの見立てでは、彼女は高機能の義手義足を着用した生身の人間であるが、そもそも何故、彼女がそのような傷を負うに至ったのか? その大きな怪我が、彼女に正気のありかも見失わせてしまったのでは?
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