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☆こそフォロ

WT 弓場王
Twitterで弓場王の体格でシングルベッドは狭いとか、腕枕がどうとか言っていた話です。直接的な性描写はありませんが、二人ともベッドの中にいて裸です。
(2021年6月12日)

##弓場王 ##WT

九七センチメートル 常夜灯より少し明るい灯りに満ちた部屋は静寂が落ちていた。聞こえるのは二人の吐息や布団に身体が擦れる音、たまに窓の外の遠く沿道を走る車の音くらいで、ほどよい響動に浸りながら王子はまどろんでいた。
「そろそろ買い替えるか」
 気を抜いたら聞き逃してしまいそうな言葉が頭上から降ってきた。声の主の腕を枕にして、横向きになっていた王子の意識が浮上する。眼球だけを上に動かすと、見慣れた仏頂面が視界に入る。
「……弓場さん。いま、なにか言いましたか?」
「ベッドだ。男二人じゃあ狭っ苦しいだろうが。もういっこでけェのを買ったほうがいいかと思ってな」
 今のベッドは下の奴にやりゃあいい、などと独り言ちている。もう決定事項のようだが、王子にはいまいちよく状況が読み込めない。
 長身の男二人が横たわるのにシングルベッドは確かに窮屈だ。横幅はもちろんのこと、縦幅だって今のように王子が横たわる位置を少し下げるとすぐに足がはみ出る。体位を変えれば対応できるからそれほど気にはならないが。
 そもそもこのベッドを使うのは交接のときだけで、終われば一人が床の布団で寝るのが常だった。王子がベッドの下に視線を落とすと、すでに整えられた布団が見えた。
 王子が弓場を訪ねたときはいつも彼がベッドを譲った。別に気を遣うような仲ではないのだからこちらが下でも構わないのだが、客人を床に寝かせることはできないというのが家主の言だった。弓場にしてみればそれが配慮のつもりなのだろう。しかし、情人の匂いが染み付いたベッドに寝かされるのは王子にとってある意味拷問なのだが彼はそのことに気づいていないようだった。
 弓場の上腕の真ん中あたりに頭を乗せていた王子が、彼の腕の付け根のほうへと顔を移した。腕の付け根の下、よりいっそう匂いや体毛の濃い部分が眼前に迫った。頭髪より太く縮れた毛を上下の唇で挟んで引っ張ると、弓場の指先が王子の後頭部を弾いた。弓場だって王子のやわらかな髪の毛を指に巻きつけて弄んでいたのだからお互い様だと思うのだが口には出さないでおく。
 弓場の腕が王子の肩を抱いた。力の入った手にそのまま引き寄せられたので王子は黙って従った。繊細で柔らかな筋肉の塊が王子の頬から上半身に触れる。ついでに王子はベッドからはみ出ないよう、いつものように折り曲げていた足を動かして弓場のそれに絡めた。足の裏にざらりとした体毛が当たる。
 汗が引いてべたついた素肌は世辞にも触り心地がいいとは言えないが、不思議な安心感がある。王子はこの独特の空気が好きだった。
「急ですね。二人ぶん寝る場所があるんだからこのままでいいと思いますけど。今あるベッドを運び出すのも手間でしょう」
「……味気ないだろうが」
「なにが?」
「抱いた後のおめェーをベッド置き去りにするのはよ」
 肩を抱いている指に少し力が入った、気がした。
 本人の性質をそのまま表したかのような真っ黒な瞳に王子の影が映る。その真剣な眼差しゆえに王子は吹き出してしまった。王子の意図をはかりかねているのか、弓場は秀眉を寄せて何やら考え込んでいる。
 好きなだけ抱きあって絡みあって身体をひとつに繋げ、終わってからもこうしてしばらく熱を分け合っているのにそれでも物足りないなんて。同じ部屋にいるのに置き去りにするなんて大袈裟な表現だ、などと弓場の言葉を思い出すと、身体に起きる痙攣がまた大きくなる。
 確かにぴたりとくっついて倦怠感に身を浸す時間も愛おしいが、それを朝まで続けたいと王子は思わない。一つひとつの行為に区切りがあるから感情も新鮮に感じられると思うからだ。弓場が日頃よく言っているメリハリというやつだ。
 声を抑えたつもりだが、くつくつと小さな音が漏れた。いつまでも笑いを止めない王子に不快感を持ったのか、弓場が王子の肩を軽くつねった。
「すみません。いえ、あなたがそんな少女趣味とは知らなかったので」
「そんなんじゃねぇよ」
「確かに朝まで寝るのにシングルは狭いですが、少し休むくらいはできるでしょう。言ってくれたら添い寝くらいいつでもしますよ」
 すっかり目が覚めてしまったので王子は身体を起こした。弓場の腰を跨いで馬乗りになり、上半身を倒すと、王子のやや長い前髪がカーテンのように弓場の額に落ちる。亜麻色と黒瑪瑙の違う色の毛先が重なって交わる。
「今夜はもうやらねぇぞ」
 胸を弓場に押された。本気で拒まれているのではないということは、力の弱さから分かる。
「分かってます。そうだ、ベッドはどうせならキングサイズを買いましょう。そしてイコさんや迅さんにからかわれてください」
 何を想像したのか、弓場の整った面立ちが心底嫌そうに歪む。構わず弓場の両頬を掌で包んで、口づけを交わす。
 生ぬるい口内に舌を差し入れて噛み合わせを開かせる。厚い舌をこすりあわせ、しゃぶり、吸う。互いに口を閉じていた時間があったせいか粘り気の強い唾液が絡む。上から下へと伝い落ちる体液を受け止めた弓場が喉を鳴らして飲み込んだ。
 王子が両腕を広げて敷布を触るとすぐに端まで届いた。別にベッドが大きくなったところで今までの二人の距離感が変わるわけではないのだが、もしこのシングルベッドがなくなるなら残念だと思う。
 ベッドの幅や長さを気にしながら抱かれることも含め弓場との関係に愛着があったので。
<了>
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