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    ため息

    餅@94

    PAST以前にTwitterであげた眠りミカと小さな透君のお話に若干の加筆修正をしたものです。春なので再掲。
    うっすら拳→ミカ。


    数十年後、桜の下を元気にビキニで練り歩く儚さのカケラも無くなった次兄を見てこっそりため息を吐く透君が居るとか居ないとか。
    花守り 桜もそろそろ咲こうかとする頃、どこかから一通の手紙が送られてきた。
     その中身を読むなり、拳兄は大慌てで俺を隣のおばちゃんに預けてどこかへ飛び出て行って、それから数日経ってようやく帰ってきた。


     その腕の中に眠ったままの綺麗なお姫様を抱いて。

     ▼▼▼

     そのお姫様は実はお姫様じゃなくて、ずっと行方不明になってた俺のもう一人の兄ちゃんだった。
     名前はミカエラ。
     初めて拳兄からその名前を聞いた時は、この国じゃ馴染みの無い音だなって思ったけど、こうやって本人を前にすると舶来人形みたいに綺麗なこの人にはとても良く似合う名前だと思う。

     ミカ兄はずっと寝ていて目を覚さない。

     拳兄が言うには、ミカ兄は俺がうんと小さい頃に俺達とはぐれちゃって離れ離れになったんだって。拳兄はミカ兄を探してあちこちを転々としてたんだけど、たった一人で、しかも俺を連れてだから中々の上手く行かなかったらしい。
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    りゅうひよこ

    DONEあらすじ
    「一人でするところ見せてよ」魏嬰が言った。
    「君にとって楽しいものではないと思う」
    「見せてくれるまで待つ」
    魏嬰は言うと、床に押し倒されたまま襟元を直し、要求を飲んでくれるまで触れさせないの態度を取った。藍湛は仕方ないという風にため息をつき、自ら帯を解きにかかる。
    窓から生ぬるい風が、床を這うように吹きこんできたのはその時だった。「もう喚んでくれないのかと思ってたよ、藍湛」
    0721の日・ホラー回「一人でするところ見せてよ」
    魏嬰が言った。
    静室の天井を背景に、彼の夫の顔が間近にあった。結い上げた髪がいくらか乱れている。
    もちろん藍湛の艶やかな黒髪を乱したのは魏嬰だ。文机で書き物をしていた彼に戯れついた結果、組み敷かれてひとしきり口を吸われていた。
    「見てどうする?」
    と藍湛が尋ねた。
    「夫のかわいい姿を眺めて楽しむんだよ」
    「君にとって楽しいものではないと思う」
    しとやかな夫が恥ずかしがって拒否するのはわかっていたから、魏嬰はさんざん口づけをした後に頼んでみたのだ。魏嬰に噛みつきたくてたまらないという顔をした今の藍湛なら、うっかり披露してくれるかもしれない。
    「見せてくれるまで俺は待つぞ」
    魏嬰は言うと、床に押し倒されたまま襟元を直し、要求を飲んでくれるまで触れさせないという態度を取る。
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    🌸忘羨二次創作垢🌸

    MOURNING今日も家訓をやぶって藍忘機に口づけをしている場所を発見してしまった藍啓仁。当初は同様で血を吐くほどだったが、もう見慣れて今はため息しか出ない。刹那、今は亡き江楓眠の言葉を思い出す。魏無羨はそういう人間なのだと。そんなことは藍啓仁には関係がない事だ。今日も彼は彼の正義のために説教をする――――――――。
    かわいい子には旅をさせろかわいい子には旅をさせろ。若い頃、国外から来た客人にそんなことわざがあると教わった。
    弟子は皆可愛く思う。その中でも、藍忘機には才能を感じ、早くから様々な夜狩に向かわせた。

    その結果、どうなったか。

    丹精込めて育て上げ、特に気に入っていた弟子は得たいの知れない人間なのか魔なのかよくわからない奴に惑わされてしまった。未だに二人の仲をよくは思っていない。いつか藍忘機が魏無羨に飽きてくれればいいのにとさえ思っている。

    しかしそんな日は来ないだろう事はわかっていた。
    藍忘機の執着心は父親にソックリなのだ。
    そしてもう一つ、藍啓仁は理解している事がある。表向きは魏無羨が藍忘機を惑わしたように見えるが、実際は違う。

    魏無羨は昔から美しい女性が好きだったという噂はかねがね聞いていた。
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