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    BIWAHAGOROMO

    PROGRESSメインで進めている最王SSの進捗を1週間限定で晒します!プロローグから第1章途中までです
    完全に自己満解釈捏造世界・死ネタ(?)なのでお気をつけくださいまし
    体温(仮題)僕は好きだった。君の手が。





    僕は君の手が好きだった。
    そこから感じられる君の体温だけは、君のぬくもりだけは、絶対に嘘をつかないから。
    どれだけ僕を翻弄したって、どれだけ嘘にまみれたって、どれだけ虚偽の海の泡に消えてしまいそうになっても…ほんの少し小さな手を握れば、すぐに本物だと分かる。それが、いつの間にかすり替えられてしまいそうな、どこか危うい雰囲気を纏う君を確かめる、唯一の方法だった。


    窓の向こうで、一番星がゆっくりと目を覚ます。
    君と迎えたこんなにも綺麗な夜が、こんなにも痛い。


    どうして僕は、君の気持ちに応えてあげなかったのだろう。

    後悔を噛み締めながら…いや、後悔に噛み締められながら、の方が正しいだろうか。とにかく僕は、自分でどんな表情を浮かべているかもわからないまま、君の布団に顔を伏せた。ベッドの前で、情けなくも床に膝をつく。ただ茫然としてしまっていた。ようやく受け入れられ始めた段階で、僕の心は鋭く貫かれた。銃か何かで撃たれたりしたら、きっとこんな感覚になるんだろう。頭は重く、重く、そのまま顔を起こすことすら叶わず。ただくぐもった声で、人が来ないよう小さく、何度も何度も君の名前を呼んだ。呼べば答えてくれる気がした。無邪気に笑って意地悪に嘲って、嘘だと笑う。そんな君が今にでも目を覚ますような、そんな気がした。
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    kenken_Power

    PROGRESS初めて書きました。
    どうぞお手柔らかにお願いします。
    ※中途半端で終わります。(続きは未定
    ※描写はキスまでですが、匂わせがあります。
    ピーターは吸血鬼怖いし嫌いだけどそれ以上にアロの事が大好き!なので恋は盲目なんだなって感じで読んでください頼みます🙏
    雨の日のピタアロピーター・ヴィンセントは自室の大きな窓に打ち付ける雨粒を眺めながら深いため息をついた。

    「今日は会えないな…」

    誰も居ない広々とした部屋に自分の声だけが静かに響く。
    この街に不満はないが、唯一欠点をあげるとするなら雨が多い事だ。あと観客のノリが悪い。
    以前なら雨など気にも留めなかったが、今や酒を煽らないと気持ちが落ち着かずイライラしてしまう。
    なぜ俺がここまで気持ちを乱さないといけないのか。
    原因は恋人であるヴァンパイア、アロにある。

    俺の生い立ちを知っている人が聞けば信じられない話だろうが、俺たちは本気で愛し合っていた。デートもするし人間の恋人同士がする事は大体やった。もちろん身体の関係だってある。
    アロはヴァンパイア一族の長であり、名声もあり力も段違いに強い。最初の内は力加減が難しいと言いながらハグをするだけで俺の肋骨を数本折った事もある。あの時は流石にビビったが…時が経つにつれてアロも分かってきたのか最近は骨を犠牲にする事は無くなった。いや、概ね無くなった。
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