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    みった

    sunaba

    DOODLE【50代 洋三】歳を取ってしみったれはじめた壮年達の話を書きました。読まなくてOKなやつ。特に若い子はに虚無かもしれません。
    50歳としてるけど~60みたいなノリです。一度ジジババ描写の解像度を上げた話を作ってみたかった。3PCD、夜時、YSGIGと同軸設定。他人に見せる文章に慣れていないため、悪文ご容赦ください。
    Knowing our destiny5月22日。水戸洋平は、長らく同棲している三井寿の誕生祝いのために用意した小ぶりなケーキを、照明を落としたダイニングテーブルの上に慎重に置いた。
    シックなバタークリームのアートをまとった直径10センチの美しいケーキ。1カ月前から予約した。特別な日のための特別なものだから、華美さが少し鼻につくくらいが丁度いい。傍らには温めたケーキナイフ、サーブ用の皿。ちょうど50歳の誕生日なので、すらっと長いろうそくが5本。キメ細かいクリームに覆われた美しい表面に付属のろうそくをグイグイと差し込む。毎年、この1分にも満たない時間、素晴らしい手腕を振るった顔も知らぬケーキ職人に、ほんの少しの申し訳なさを覚える。

    早々に帰宅した三井は、テーブルに好物の手料理と酒を見つけて明るい声を出していた。が、席に着き、水戸がケーキのろうそくに火をつけ、それを三井が吹き消し、半分に切ったケーキを受け取るときとき。そこで、少し居心地が悪そうな顔で、声を落として呟いた。
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    32honeymoon

    MENU◇フォロワーさんのイラストに文章つけてみったー◆
    大変遅くなりました&あまりにも長くなってしまったので3編に分けてお出しします。
    ぽすわい様のジューンブライドイラストにどうしても物語をつけたくて書かせていただきました!
    ・便宜上全7パートに分かれています。今回は前章~プロポーズまで。
    ・プロポーズ~初夜まではR18となりますので別途パス付で上げます。
     皆様のお気に召しますと幸いですm(__)m
    雨が連れてきたはじまり<前編>別れと復活、そして再開「・・・ありがとうーおやすみ、KK」
    そう言って別れを告げたあの日。
    そういえばあの日も、あれから雨が降り始めて。まるで別れの涙のようだなんて思ったことを、覚えている。


    【覚醒前夜ー夜明けの手紙】

    これは、僕の罪の記憶。
    もう二度と同じことを繰り返さないために、ここに書き残しておくことにする。


    ーあの夜、KKはたしかに僕のなかから姿を消した。黒い靄が霧散するように消えて、僕の右の手のひらについた傷は何事もなく消えてなくなって。
    それくらい遺してくれたってかまわないと思っていた。だって、KKを思い出せる何もかもが消えてなくなってしまったような気がしたから。
    それでももう、きっと二度と逢えないのだと。そう覚悟は決めていたし、
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