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    アニス

    Yukishiro

    DONE「巡る蒼穹」のプロローグ、この書き始めから、あのシリーズが始まりました。あのお話だけでシリーズにする予定ではなかったのでカットしてしまった始まり部分です。その為微妙に展開がズレてるかもしれません。シリーズのNo.に入れるにはやはり蛇足だろうと判断してこちらに移しました。
     一騎が伝えられなかった3度目は未だに言えてないのだろうけれど、このままなあなあにするのかしないのか…一騎次第と言う事で。
    巡る蒼穹 ーPrologueー言祝ぎの始まり(一騎side)


     はじめては、まだ小さな頃。
     出会って、まだ小学校にも上がる前。

    「そうし…」
    「どうしたの?かずき」

     一騎は俯いて、ぎゅぅぅと体の横で握り拳に力を入れると、徐に顔を上げて、それはもう真剣な真剣な瞳で総士を見詰め、

    「大きくなっても俺の側にいて!!」

     それが最初のプロポーズ。
     いや、プロポーズとか良く分からない頃で、只々側にいて欲しくて、結婚するとずっと一緒に居られるらしい、なんて良くある思い込みから始まった。
     でも、やっぱり結婚とか良く分からないから、一騎にはこう伝えるのが精一杯で、

    「うん、僕もかずきと一緒にいたい」

     にっこり可愛い笑顔で返してくれた総士は、きっとまだこの頃は自分の運命をはっきりとは知らされていなかったのだろう。
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