アルティナ
村人A
DONEクリスマス暴シス小説。アルティナちゃんの純真さにペースを乱される暴君様が大好き。
聖夜の逢瀬雪が降り、辺りを白く染めていく。
ツンと凍える空気は、息を吐けば靄のように広がる。
既に足を踏み出せば、ザク、と音がするくらいに雪が積もっていて、そこに真新しい足跡がついていた。
黒い装束についた雪を手で払い、紅の瞳が闇夜の中で動く。
(…今夜は人間共の気配を感じぬな)
目的の場所は明かりがついていて、光が漏れていた。
力を入れると、ギギ…と音を立てて開く。
「あら、吸血鬼さん。今日は遅かったのね」
「……何をしておるのだ?」
いつもより煌びやかな教会の中。
そこに現れたのは、“暴君”と謳われる吸血鬼、ヴァルバトーゼ。
笑顔を向けるシスター、アルティナは彼を招き入れる。
「今日はクリスマスですわ」
「クリスマス…?なんだ、それは」
2576ツンと凍える空気は、息を吐けば靄のように広がる。
既に足を踏み出せば、ザク、と音がするくらいに雪が積もっていて、そこに真新しい足跡がついていた。
黒い装束についた雪を手で払い、紅の瞳が闇夜の中で動く。
(…今夜は人間共の気配を感じぬな)
目的の場所は明かりがついていて、光が漏れていた。
力を入れると、ギギ…と音を立てて開く。
「あら、吸血鬼さん。今日は遅かったのね」
「……何をしておるのだ?」
いつもより煌びやかな教会の中。
そこに現れたのは、“暴君”と謳われる吸血鬼、ヴァルバトーゼ。
笑顔を向けるシスター、アルティナは彼を招き入れる。
「今日はクリスマスですわ」
「クリスマス…?なんだ、それは」
ユズキ
DONE年賀絵出来た🎨今年の干支は卯だし、閃の軌跡アニメが放送開始されるので、閃の白兎黒兎コンビのうさ耳姿🐰にした
二人ともアニメに登場するしね
アルティナちゃんの髪型はアニメに合わせて閃Ⅱバージョン💕
すずもち
DONEかつてのレキドナとグスタークがあった土地に建てられた慰霊婢に祈りを捧げに行くアルティナとそれに付いていくヴァルバトーゼヴァルアル風味
アルティナは自分が死んだ後の両国のことや患者にずっと寄り添ってるよねっていう妄想
平和の鐘が鳴る雪の積もる石畳の道を歩く。季節は冬に入る頃で街中は雪に埋め尽くされ、重たい雲に閉ざされた空からは延々と雪が降っていた。
しかしここの住民はそんな気候に慣れているのか歩きづらい道も難なく通っている。人間とは何にでも慣れる生き物と聞いたが事実そうらしい。悪魔のように強靭な四肢も魔力も持たないがどんなことであってもその知能や経験、そして絆の力で乗り越えてしまう。そのくせ脆弱であるという何とも不思議な生き物だとヴァルバトーゼが考えていると隣を歩いていたアルティナが目の前を指差した。
「吸血鬼さんこっちです、あの突き当たりの教会が目的地です」
「思ったより町から外れているところにあるのだな」
「ええ……診療所は国境沿いにありましたから、できるだけ近くに埋葬するとなるとこういうところにならざるを得なかったみたいです」
2447しかしここの住民はそんな気候に慣れているのか歩きづらい道も難なく通っている。人間とは何にでも慣れる生き物と聞いたが事実そうらしい。悪魔のように強靭な四肢も魔力も持たないがどんなことであってもその知能や経験、そして絆の力で乗り越えてしまう。そのくせ脆弱であるという何とも不思議な生き物だとヴァルバトーゼが考えていると隣を歩いていたアルティナが目の前を指差した。
「吸血鬼さんこっちです、あの突き当たりの教会が目的地です」
「思ったより町から外れているところにあるのだな」
「ええ……診療所は国境沿いにありましたから、できるだけ近くに埋葬するとなるとこういうところにならざるを得なかったみたいです」
ゆきこ
TRAININGたまには違うキャラを書こうと思って引いた創作系のお題ガチャで似た者同士というテーマが出て、思いついたのがこの2人でした。何で新Ⅶ組がクロスベルにいるのかまでは気にしちゃだめです(単に考えてない)。他にブレスレット、ハーフアップ、流れ星、という単語が出てきたけどブレスレットは上手く組み込めなかった。そしてこの事をもしミリアムが知ったらむくれそう。お姉ちゃんはボクなのにっ!て。似た者同士の内緒話「私たち、似た者同士、かもしれませんね」
一人で夜空を眺めていたところ、探しに来たティオから出た言葉にアルティナは首を傾げる。
「そう、でしょうか?」
「ええ。何となくですが、そう思います」
そう答えるティオの目は優しくて、まるで妹を見守る姉のようだとアルティナは思う。
「私も、貴女のような素敵な女性になれるでしょうか…」
「なれますよ、貴女らしい、素敵な女性に。…かつて私は、エリィさんに対して同じことを思っていました。でも、言われたんです。貴女は貴女らしく在れば良いのよって。だから私は背伸びして無理をするのは止めました。そんなのは私らしくないから」
「ティオ、さん…」
「だから、アルティナさん。貴女もきっと、大丈夫です。あの人の隣に並んでもつり合うだけの素敵な女性に、きっとなれます」
1153一人で夜空を眺めていたところ、探しに来たティオから出た言葉にアルティナは首を傾げる。
「そう、でしょうか?」
「ええ。何となくですが、そう思います」
そう答えるティオの目は優しくて、まるで妹を見守る姉のようだとアルティナは思う。
「私も、貴女のような素敵な女性になれるでしょうか…」
「なれますよ、貴女らしい、素敵な女性に。…かつて私は、エリィさんに対して同じことを思っていました。でも、言われたんです。貴女は貴女らしく在れば良いのよって。だから私は背伸びして無理をするのは止めました。そんなのは私らしくないから」
「ティオ、さん…」
「だから、アルティナさん。貴女もきっと、大丈夫です。あの人の隣に並んでもつり合うだけの素敵な女性に、きっとなれます」
last_of_QED
BLANK診断メーカーよりお題「『笑ってください』で始まり、『必要なのは勇気でした』で終わる物語」。アルティナちゃんが臆病を告白する話。臆病と悪魔【臆病と悪魔】
笑ってください、こんな私を。お赦しください、どうか。
悪魔の居城で祈っていると、まるで自分が幽閉されたか、あるいは堕天してしまったかのような錯覚に陥る。いいえ、身も心も、決してそのようなことは。けれど、何故なのでしょうか。此処は幾分、居心地の良い場所なのです。それ故に、必要以上にこの地に滞在してしまっているのも確かで。地獄が心地良いなんて、本当に可笑しな話。
フロン様、貴女が私に明かしてくださった、魔界で過ごした日々のこと。今も忘れられないのです。お話しされた時の、貴女の優しい表情。「アルティナちゃん。すぐに天界に戻る必要はありませんからね。貴女が為すべきことを、為してから戻って来るように。いいですね?」そう、笑顔で送り出してくれたその意味も、もう少しで分かるような気がするのです。
944笑ってください、こんな私を。お赦しください、どうか。
悪魔の居城で祈っていると、まるで自分が幽閉されたか、あるいは堕天してしまったかのような錯覚に陥る。いいえ、身も心も、決してそのようなことは。けれど、何故なのでしょうか。此処は幾分、居心地の良い場所なのです。それ故に、必要以上にこの地に滞在してしまっているのも確かで。地獄が心地良いなんて、本当に可笑しな話。
フロン様、貴女が私に明かしてくださった、魔界で過ごした日々のこと。今も忘れられないのです。お話しされた時の、貴女の優しい表情。「アルティナちゃん。すぐに天界に戻る必要はありませんからね。貴女が為すべきことを、為してから戻って来るように。いいですね?」そう、笑顔で送り出してくれたその意味も、もう少しで分かるような気がするのです。