レオ監︎︎ ♀｜🦁監♀SS③「果実を食む」ハロウィーンのイベントも無事に終わり、まだ熱気の残る学内を回りきったユウは最後に恋人の部屋を訪ねた。

「レオナさーん！ハッピーハロウィーン！お菓子くださ…うわっなんですかすごい！」

定番のセリフを口にしながら扉を開けると、ローテーブルには大皿に果物が瑞々しく山と盛られている。
ベッドから眠そうで不機嫌なテノールが聞こえてきた。

「遅い。どこで油を売ってたんだお前は」
「可愛い一年としては先輩方にサプライズをお届けしないわけにはいかないじゃないですか？」
「はっ、可愛い一年ね。いいからソファに座れよ」
「はい、失礼します」

やたら柔らかくて高価であろうソファにユウが、もふ、と慎重に腰を沈めると、右隣にレオナが無造作に座る。

Doppelgänger幼少期を通じて、自分の顔を見つめながら過ごすこと、つまり一卵性双生児として生まれることは、その事実を意味した。ラインハルトも例外ではなかった。金髪の少年は、生まれる前に一つだった存在と部屋を共有し、共に風呂に入り、同じ絵本や玩具箱を共有した。時折、自身の存在がもう一つを保証する気感が気まずかった。しかし、逆に少年の存在を保証する相手を見ると、不快な気分にはならなかった。

非常に幼かった頃、ラインハルトは好奇心旺盛な子供だった。もちろん、相手も彼に負けず劣らずだった。その時期、誰も同じように見える金髪で青眼の少年二人を区別できなかった。唯一、自分が相手でないことを知っていたのはお互いだけだった。

明らかにそうだったのに、状況が急激に変化したのは何時からかラインハルトは思い出そうともしなかった。多分、少年の繰り返す「不注意」により、特に大事な最後の玩具まで壊れた日であるかもしれない。または、同年代の小さな手を握ろうとすると、彼らが痛いと泣き始めることに気づいた日かもしれない。愛らしいと思う瞬間、世界は避けることができないくらいにやわらかいもので満ちた砂城に変わる。少年が責めることができるのは自分自身だけだった。