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    エアブー

    frnt_2

    DONE超エアブー0530合わせで書いた紺紅SSです。本当に短いですが甘々(当社比)朝チュンとなっておりますのでおやつのチョコひとかけら食べるような感覚でお楽しみいただければと思います!以前にも似たような朝チュン書いたけど許してほしい!! ゆっくりと吸い込んだ空気の質が変わり始めていることに気付いた体は、深く閉ざされていた瞼を僅かに開かせた。それに伴って、深い眠りの中にいた意識も引き上げられ、紺炉はぼやけて輪郭の崩れた世界をしばらくの間じっと見つめる。
     瞼が半分ほど開いてから六度目の呼吸で、ああ、目覚めたのだと己の内側で呟いた。
     いつもよりも瞼が重いのは、まだ空が白んでいくらも経っていない早朝であるということ、ようやく眠りについたのが真夜中も過ぎた頃であるということ。
     そうして、瞼を心地良く閉じる直前まで、浮いた汗が幾筋も流れ落ちるほど濃厚な蜜事に溺れていたことも、原因の一つであろう。
     紺炉はゆっくり、長く息を吐きながら、瞬きを繰り返して視界を磨いていく。鳥の声はまだ聞こえていない。満ちる静けさは夜半と変わりないが、夜はもう暗い水底から浮上して、部屋の隅に小さく残されているだけだ。陽を含み始めた空気を吸い込むたびに、意識もはっきりとしてくる。
     右腕に感じる、温かい重み。僅かに視線を下げれば、そこには艶やかな黒髪があった。快楽の限界を超えて気を飛ばしてしまった紅丸を抱きしめたまま、心地いい疲労感に包まれて眠りに 2685