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    ガイル

    かに仔

    PAST某ミーム画像から連想したはじめてのイデ監♂
    (自我が強すぎる監督生くんがいる)
    「――あ、…えっと。お、起きた?君はその…随分と長い間、気絶してたんだけど。」
     僕の意識の中に割り込むような形で声をかけてきたのは…多分、先輩。名前が思い出せなくなっているのは、頭にあった情報のほとんどを失っているからなのか、これが僕らにとっての初めましてだからなのか。答え合わせをしようにも、手段も方法も捻って出るものではない。僕の喉が第一声を弾こうとする。
     ――あなたは、誰ですか。
    遮ったのは僕の体と存在する自我につけられた、唯一無二のものに対する質問。反射的に唇が音の形を発した。そこでやっと、僕は何者なのか自覚をすることができた。

    「――█、███、ゆう…」

     復唱する先輩。不規則に不安を煽るように揺らいでいた青い炎が、怪しく嬉しそうに光っている。僕の名前の音を、呪文みたいに幾度もリズムをつけて呼んでくるものだから、段々と不気味さを帯びてきたのだ。まるでこの時を待っていた、或いはもう既に何か超えてはいけないものを大きく超え、その全てを限りなく踏み荒らした挙句、最後の希望さえもたった今砕き終わったような…。
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    hbnho210

    DONEアーロンがハスマリーで怪盗稼業をしていたときのお話。オリジナルキャラがでてきます。ルークはでてきませんが作中ではルーク(ヒーロー)の存在感がアリアリです。アーロンの心のなかにはいつでもヒーローがいるから……。アーロンが”怪盗ビースト”と呼ばれていますが、そのあたりは展示②の『Give me a smile my hero』を読んでいいただけると嬉しいです。※捏造設定アリ
    4/12「Hero`s echo」展示①『Don't cry my hero』「ねえ、聞いたかい? またでたってサ」
    「ああ、朝から物々しいからどうしたのかと思ったら、狙われたのは前々から黒いウワサのあった政府のお偉いさんの屋敷だっていうじゃねえか。相変わらず小気味がいいねえ」
     土埃と乾いた風、午前七時の太陽は容赦なく肌に照りつける、破れた幌の下にできたわずかな日陰で眠る猫、往来で市の支度をする者、共同水屋で衣類を洗ったり野菜を洗う女たち、野良犬を追いかける子ども、しきりに警笛を鳴らして怒鳴っている役人、いつもとおなじ変わることのない街の朝。だが、今朝の街はどことなくいつもより騒がしく街の人々もなにやら浮足立っていて、顔を合わせると目くばせをして何やら話し込んでいる。声をひそめながら、しかし時折、興奮して声が大きくなり相手にたしなめられている者もいた。
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