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    クーパ

    ゆしよわ

    CAN’T MAKEくーぱやクリスマス2021〜現パロ〜
    ※攻めふぇら、せ●とくんネタ、15禁
    散り咲く花は 街中のいたるところでクリスマスソングが鳴り響き、イルミネーションが幸せそうに通りすがる人々を照らしていく。逸勢は普段よくそうするように形のいい眉を歪めた。自嘲気味に吐いた息が白く夜に溶けていく。

     逸勢には友がいる。天地すべてを指すその名に恥じないどころか、彼を表すのにそれ以上ないほどの男であった。他人よりも優れている自負を完全に叩き折られたにも関わらず、おまえはおれよりすごいと素直に口にした逸勢に、その男、空海は懐かしそうに笑った。ファミレスで一日中話し込み、意気投合した2人は出会ったその日のうちに一緒に暮らし始めた。

     良き友を得たと思う。しかし、このところ自分を見る空海の目に奇妙なものを感じていた。ぼんやりと朝食のトーストを齧っている時、脱いだ服をそのあたりに散らかしてソファで寝そべっている時、濡れた髪のままの風呂上がり、腹を出して寝て冷えてしまった寝起き、なんてことはない些細な動作を空海は瞬きもせずに眺める。なんだよと不機嫌に問えば、何でもないと空海の口元が弧を描く。変な奴とぶつくさ呟いてみるが、己が空海の関心を引くのは悪い気はしなかった。
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