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    シノ

    hyoukaaisu

    DOODLE『イサ三、すまないイサ三、ゆるしてくれ』
    ブレイサ
    イサが出家した数日後くらいに
    夜な夜な
    『イサ三、すまないイサ三、ゆるしてくれ』
    住職からすればイサを拐かす妖の類いの声にしか聞こえず
    朝、起きて見れば巨人の足跡や、手型が地面に残っていたりして
    イサが本当に神隠しのように消える
    一般的に見たらホラーな話を書きました。

    イサもイサでいた痕跡すら残さず消えたら住職が驚くまで想像できてしまった。
    『イサミ、すまないイサミ、ゆるしてくれ』今日、1人の青年が仏道を修行する為に門をくぐった。

    「初めまして、本日からよろしくお願いいたします」
    悲しそうに伏せられる青年の瞼は、どこか色ぽく、
    真っ直ぐにこちらを射ぬくアーモンドの瞳は、この道を唐突に目指す者としては珍しくガラスのように透明で美しく輝いていた。

    「ああ、初めましてアオ・イサミ君。
    私はここの住職だ。
    わからないことがあればなんでも聞いてくれ
    ささ、入ってくれ」
    「はい」
    靴を脱ぎ、静静と長い廊下を歩く姿もまた水彩画のように儚く、ほんの少し目を離してしまえば消えて無くなってしまいそうな程なのに、
    ズボンから見える鍛え上げた二本の脚は何年もそこにある大木のように逞しく、生命力に満ち溢れているようにも見えるのだから不思議だ。
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    n_lazurite

    DONE魔界暮らしの裂浪小話。
    ふよが日に日に冷たくなっていく気がして不安な裂ちゃんに、ならお前が温めてって添い寝要求するふよの話。ふよの執着が重いので注意。

    いつか絶対一線越える気満々ですやん(
    その熱で息づく為に「――酒でも飲めばあったかくなんのかね」
     言葉だけ取れば冗談じみたことを、如何にも真剣な表情かおと声で言うものだから、率直に言って巫謠は呆れた。
     ちゃぷりと水の揺れる音がして、素足を浸した桶の中の湯が朱い掌にすくわれる。それが足首の辺りから丁寧にかけられていく度に、忘れかけた温みが足先から身体の奥へと伝わっていく。それを何度も繰り返されて、両の足はもう十分すぎるほどに温められていると思うのに、裂魔弦は未だ納得がいかないようだった。珍しく難しい顔をしたまま、日に焼けにくい白い足をじ、と注視している。
     もういい、という意思を込めて、つま先を僅かに蹴り上げる。ぱしゃり、と小さく跳ねたお湯のひと粒が裂魔弦の頬に当たった。それを気に留めた様子はなく、けれど巫謠の言わんとするところを的確に察した碧の眼差しが、不服そうに細められる。そのまま暫く無言で見つめ合えば、やがて諦めたように裂魔弦は桶から巫謠の両足を引き上げさせ、間近に置いていた手拭いでぱたぱたと滴る水気を拭っていった。
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