ジギル
むつき
DONEヨリトモ+主人公同じギルドに所属しているループの話
花を贈る 弟のことは、隣の部屋に待たせたきり忘れていた。
報告など、どうせ聞かなくても分かっている。戦地に送り出した弟は、今回もまた無事に帰ってきた。そのこと自体がすでに報告――戦は我が方の勝利で終わったという報告――であるのだから。
積み上がった書類へ粛々と目を通し、机の上がおおかた綺麗になった辺りで不意に弟のことを思い出した。他の者を通じて「用事が片付かないからまだ会えない」と返答はしておいたが、帰るようには言っていない。きっと愚直に、通された一室で待ち続けているのだろう。机を片付け、立ち上がった。
応接室を覗けば、案の定弟の丸い頭が視界に映る。背中を向けた恰好で、ソファに腰を下ろしていた。小生が部屋に入るなり飛び上がってこちらを振り向くかと思っていたが、ドアノブを回しても革靴のかかとが音を立てても相手は微動だにしない。おそるおそる近付き、表情を窺う。
1651報告など、どうせ聞かなくても分かっている。戦地に送り出した弟は、今回もまた無事に帰ってきた。そのこと自体がすでに報告――戦は我が方の勝利で終わったという報告――であるのだから。
積み上がった書類へ粛々と目を通し、机の上がおおかた綺麗になった辺りで不意に弟のことを思い出した。他の者を通じて「用事が片付かないからまだ会えない」と返答はしておいたが、帰るようには言っていない。きっと愚直に、通された一室で待ち続けているのだろう。机を片付け、立ち上がった。
応接室を覗けば、案の定弟の丸い頭が視界に映る。背中を向けた恰好で、ソファに腰を下ろしていた。小生が部屋に入るなり飛び上がってこちらを振り向くかと思っていたが、ドアノブを回しても革靴のかかとが音を立てても相手は微動だにしない。おそるおそる近付き、表情を窺う。
霧里モーガン
PASTれごさん(@muro66ban)宅のジギワルドくんとこちらのヒイラギでカラーリング交換したイラストを描かせていただきました!一見丁寧語の絵が好きな穏やかな男子に見えて武闘派の仕事人間という共通点があったり!
ジギるんかわいいんじゃあ……ありがとうございます!
maita108
DONEイマジナリーエレオスとイマジナリーオスッテのとある日。二人は同じギルドの白魔導士(エレオス)と戦士(オスッテ)ていう設定以外何も生えてません。(名前含む)
瞳よりも物言う物目の前に揺れる尻尾は、持ち主のお髪と同じように夜の帳色をしていた。光を全て飲み込むような、深い色。
ふわふわと柔らかく絡まりやすいその性質は、まさに子猫の腹の毛のよう。
そんなふわふわした誘惑に吸い寄せられる様に目を奪われてしまい、手元の作業は止まる。
「ミコッテてさ、尻尾、人に触られたくないもの?」
「えー…人による。」
「ふーん…、君は尻尾嫌な人?」
目線は尻尾を凝視したまま会話を続けるもう一方の彼は、エレゼン族である故に尻尾という概念を理解出来きず、急所になり得るかどうかも判断がつかなかった。
同じFCの同僚として友好な関係を築いていかねばならない反面で、その尻尾という種族的に持ちえぬ未知の部位に興味が無いわけでもなく。折衷案として、持ち主の許可を取るのならば触る事くらいは許されるだろうかという好奇心に似た何かを滲ませながら、あのふわふわもこもこした物体に触れるかもしれないという期待に胸を膨らませる。
1329ふわふわと柔らかく絡まりやすいその性質は、まさに子猫の腹の毛のよう。
そんなふわふわした誘惑に吸い寄せられる様に目を奪われてしまい、手元の作業は止まる。
「ミコッテてさ、尻尾、人に触られたくないもの?」
「えー…人による。」
「ふーん…、君は尻尾嫌な人?」
目線は尻尾を凝視したまま会話を続けるもう一方の彼は、エレゼン族である故に尻尾という概念を理解出来きず、急所になり得るかどうかも判断がつかなかった。
同じFCの同僚として友好な関係を築いていかねばならない反面で、その尻尾という種族的に持ちえぬ未知の部位に興味が無いわけでもなく。折衷案として、持ち主の許可を取るのならば触る事くらいは許されるだろうかという好奇心に似た何かを滲ませながら、あのふわふわもこもこした物体に触れるかもしれないという期待に胸を膨らませる。