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    テレビ

    masasi9991

    DONEテレビ電話初挑戦の土ガマスピーカー


    「いよう! 土蜘蛛、聞こえてるか?」
     妙に光る薄い板から声が聞こえる。玻璃の貼られた板の表面にはその顔も映っている。面妖な。
    「聞こえてるみたいだな」
    「吾輩はなにも言うてはおらんが」
    「顔見りゃわかるぜ。オレの顔と声にちゃんと反応してくれてるってのが、その眉間のシワでな」
    「なんだと」
     言われて思わず、己の眉間に手を伸ばそうとしたが、こらえる。そう思惑通り動いてなるものか。吾輩はこのまま腕組みのまま頑として動くまい。
    「どうせ面妖だと思っているんだろう。今どきビデオ通話も理解してねえんだもんな」
    「莫迦にするでない。びでおもわかる。通話もわかる。つまり、これがお主との電話……であることは、さすがにわかる」
    「おお、すげえ。わかることいっぱいじゃねえか」
    「幼子に語るかのようだな」
    「いやいや、土蜘蛛さんはご立派……ご立派な……ええ、古の大妖怪様だぜ」
    「ようもそう洒落臭いことばかり言えるものだ。そのような話をするばかりのために、この板を置いて帰ったのではあるまいな」
    「ま、ま、これなら有事の際に直ぐに連絡を取れるだろう」
    「言っておくが吾輩からはこれでお主に連絡を 993