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    デュラハン

    rvR2EtMic

    MOURNINGデュラハンとスケルトンなイデケイの話輝石の国にある、とある家の者は揃って戦々恐々としていた。
    一年前、この家の前に黒黒とした闇に紛れるような馬に乗った首のない騎士が家の前に現れて『一年後、この家の者の魂をひとつ貰い受ける』と告げていった。
    その予告から一年が経とうとしているからだ。



    「…次は、この家か……何でこんな時代遅れなやり方で魂回収しないといけないんだか…もっとシステム化してよ…」

    鎧を身に付けて蒼く長い髪を揺らす男は、闇を切り裂くように何も無い空中から姿を現して地面に降り立った。しんと静まりかえった夜、鎧を纏う身体が動く度に金属音が響く。



    「蒼い、髪……?」
    「ヒィっ!!…あ、君この家の、人……え?」
    家の前に立っていた男は、暗闇に似つかわしくない晴れた日の夕焼けのような髪色をしていた。声をかけられた鎧の男は大袈裟に肩を揺らして驚いたが、振り向けば分かった。
    声をかけてきた彼は既に人ではないこと。

    「…この家の人の魂回収しに来たんだよね?君、“首なし騎士”でしょ?てゆーか何で首あるの?」
    「あ、あれは、伝説に合わせた演出と言いますか…いや待って、君こそもう人間じゃないでしょ?何してるの…?」

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