Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    トト

    hymaisk1129

    MOURNINGぐだちゃんが座に登った時の話。
    座にいる本体とサーヴァントとして召喚された分体は意識が繋がってません。という設定です。
    英霊の座にてここには何もない。
    辺りに光はなく、ただ暗くて寒々しい空間が広がっている。暗闇の中で前後上下の区別もつかないから、この場所がどこからどこまで続いているのか分からない。変わり映えのない風景により時間の流れも緩慢に感じられて、いつからそうしているのかもう分からないが己1人だけが在った。
    時折、誰かに呼ばれたような気がして周囲に目を配るが、それで特別何かが見つかったりこの場所に変化が生じることはなかった。呼び声の主を見つけてやろうとしたことがいつかあったが、そんなこともすぐに止めた。広く終わりのない暗い空間の中をいくら探しても己以外は見当たらず、ここはそんなものなのだと諦観している。
    ややあって、誰かに呼ばれた際に顕界していたのであろう己の分体が役目を終えたらしく、例によって記憶を還して来る。分体の記憶はいつも似たり寄ったりだ。過程はどうであれ、判を押したように使い捨てられてお終い。目新しさのない記憶は塵のように積もって、埋もれた記憶から熱を奪い色を褪せさせていく。記憶が記録となって久しく、今では記録に実感が持てない。全ては他人事だ。
    1193