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    パート

    k0510_o0720

    DOODLEレイチュリ🧂🦚
    ワンウィーク【パートナー、ハッピーエンド】

    夢にまで見た終わりの話
    「全然、なんか思っていたのと違うっていうか」
    「……嫌なら言ってくれと再三伝えていたつもりだったんだが。いや……、ようやくそれを僕に言えるようになった、ということか? 君の信頼を得ることができたと喜ぶべきなのか、これは?」
    「あはは、何一人でぶつくさ言っているんだい、君」
     誰のせいだと。多少の苦言も含めてその頬をつついてやれば、くつくつと喉の奥で笑うような音が聞こえた。そしてまるで安心しきった顔でその手に頬を寄せてくる。そこには嫌悪や忌避感は見当たらなくて、柄にもなく息が漏れた。
     つまり彼は、今は別に不快な訳ではないのだろう。ではあれはどういう意味だろうか。既に身体を重ねた回数は両手じゃ足りなくなっていて、というか足の指を足したって足りないだろう。レイシオとて凡人である。好意を寄せる相手に向ける欲だって人並みなのだ。そして彼もそれを拒まなかったし、望んでいるようにも見えて。いや、そういう思い込みこそがよくなかったのだろうか。レイシオが「したい」と言ったそれにただ、彼が否を返せなかっただけだとしたら。
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