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    ブライ

    七面倒

    DOODLEジューンブライド滑り込みに失敗したもの。
    書きたいとこだけ抜き出しました。
    お父さんって呼びたい話「お父さん、って呼んでもいいですか?」

    恥ずかしそうに紡がれた言葉に、パティとカルネはむさくるしい顔を見合わせた。



    東の海にその名を知らぬ者のない海上レストラン、『バラティエ』。そのオーナー室では、ちょうどワインの仕入れにまつわる大口の契約が行われていた。
    契約の相手は、近年世界の食料市場に進出している貿易会社『シャーロット兄弟商会』。その代表としてバラティエにあらわれたのは、二十歳になるかならないかという女性だった。
    当初、船から降り立った彼女――シャーロット・プリンの姿に、バラティエのコックたちは鼻白んだ。こちらが片田舎のレストランだからといって、こんな小娘を名代に寄越すとは。舐めている。コックたちがそう感じたのは、なにも彼らが狭量だからではない。そもそも、バラティエは客以外の女性が出入りすることが少ないのだ。オーナーの主義は広く知れわたっていて、少し気の利いた取引先なら使いの者も男と決めている。もちろん、オーナーは出入りの業者の性別など気にも留めておらず、完全なる余計なお世話なのだが。
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    DONE2024年ジュンブライベント。

    リリーベルが薬品の素材集めに訪れた村では結婚式を挙げるはずだった新郎が姿を消したまま帰ってきていなかった。新婦と彼女たちの幼なじみだという青年の依頼を持ってリリーベルは魔法舎に帰るが……

    「私があの子だったら、貴方を選んでいたのに」

     それは好きの気持ちを口にできなかった者たちの奏でる切ない叶わぬ恋の物語。
    門出と追想のカノン 疲労回復に役立つシィピィの実が豊作だと情報を仕入れて買い出しに来ていた。東の国寄りの中央の国の村。名をシピールという。果実を絞ってジュースにしてもいいし、皮を乾燥させて粉にしてしまうのもありだ。どんな風にして使おうかと考えながら歩いていると、お花屋さんの前を通った。店先には色とりどりの花が並べられていて、見ているだけでもとても楽しい。あいにく魔法舎には花よりも食べ物の方が喜ぶ面々が圧倒的に多いのだけど……自分用に小さいものを買って帰ってもいいかもしれない。前に賢者様は見るのは好きだけれど、世話をするとなると枯らしてしまうと言っていたから別のものの方がよさそうだ。端から順に花々を眺めていると、店の端の方で立ち話をしているご婦人たちの話し声が聞こえてきた。
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