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    マヤ

    kurif_pianica

    PROGRESS2024年8月25日の『藍の瞳に写る君』にて頒布予定のアンソロジー
    『着たままヤるのか!?』に寄稿予定の短編
    その冒頭部分になります~!!えっちしーんはまだありません!
    暑い夏には無味無臭のローションを添えて(仮)「これは一体どういうことだ‼」
    歌仙兼定が怒りを顕わにして声を荒げ、この本丸の審神者へと詰め寄った。二十代後半ほどの若い審神者はあまりの剣幕に縮こまると深々と頭を下げて謝罪した。
    「すみませんでした! まさかこんなことになるとは……」
    「きみが如何わしい事を考えると本丸内で異常なバグが起こると何度言ったらわかるんだ‼」
    「わかってる。……わかってはいるんだけど、その、どうしても溜まっちゃって……」
    審神者が弱々しく両手で顔を覆ってべそをかきはじめる。この本丸の審神者は力が強いせいか、彼が想像したことが本丸内で具現化しやすい性質を持っていた。それも性的な妄想が最も具現化する。
    男だけしかいない本丸の中で二十代という若さの審神者にとって、性的欲求を完璧に抑えることは難しい。審神者が欲求のままにAV等を見てしまった翌日にはその妄想が本丸内で具現化し、その度に起こる異常なバグに所属する刀剣男士たちは幾度となく翻弄されていた。ある時は朝起きると真っ赤な縄で縛り上げられていたし、ある時は着ていた服が全て透明になっていたこともある。本丸内で育てていた植物に未知なる触手が生えて襲ってきたことだってあるのだ。どれも審神者がAVやエッチな雑誌を見て一瞬だけ抱いた『そうなったら良いな』という妄想だ。審神者本人の意図しないところで具現化してしまう妄想は忠実に再現されて本丸内で暴れまわり、きっかり二十四時間経つまで消えることはない。
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